子猫の遺棄が後を経ちません

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高知県を拠点に活動をする愛護団体、アニマルサポート高知家。同団体の元には連日悲しい情報が寄せられています。

【写真】高知県内の川の中州。子猫が入った黒い袋が流れ着きました

それは子猫の遺棄。2024年4〜5月だけでも高知県内で8件もの子猫の遺棄の情報が寄せられ、なんとか命を救い、団体でお世話をし続けています。あまりにひどい状況で見つかる子猫もおり、「死んでも構わない」と意図したような遺棄もありました。

意図的に殺そうと川に投げ込んだとしか思えない

遺棄が発覚したのは、川の中洲付近に流れ着いたと思われる「黒い袋」が発端でした。袋の口はビニールテープで固く結ばれており、明らかに不自然。たまたまこの黒い袋を見つけた人が中を開けてみると生まれたばかりの2匹の子猫がおり、1匹はすでに死亡。

あまりの酷さに言葉を失う発見者でしたが、生きているもう1匹をなんとか救ってあげたいと、団体に相談しました。団体メンバーは憤りを通り越し涙がこぼれました。

「これは血が通った人間がやることではない」。

中洲に流れ着いたということは、人間が意図的に子猫を川に投げ込んだとしか思えません。「罪を憎んで人を憎まず」という言葉がありますが、しかし、こんなひどい行いをする人をも憎まないでいられるものでしょうか。

動物の殺傷や遺棄はれっきとした「犯罪」

動物愛護法の基本原則となる<第二条>は、以下の内容が記されています。

「動物が命あるものであることにかんがみ、何人も、動物をみだりに殺し、傷つけ、又は苦しめることのないようにするのみでなく、人と動物の共生に配慮しつつ、その習性を考慮して適正に取り扱うようにしなければならない」

また、この法律に反し、意図的に動物を殺傷した場合は、「5年以下の懲役または500万円以下の罰金」になります。また、意図的に動物を遺棄した場合は「1年以下の懲役または100万円以下の罰金」となります。

つまり動物の殺傷や遺棄はれっきとした「犯罪」です。これ以上悲しい思いをする犬猫が増えないためにも、この法律はこれまで以上に広く知られるべきだと思います。

水路から必死に駆け上がり生き抜いた子猫も

これまで多くの悲しい場面と対峙してきたアニマルサポート高知家のメンバーは、こんな話をしてくれました。

「2024年春の時点で、私たちが新たに保護した遺棄出身の子猫は30匹を超えました。半分水に浸かりながら水路から必死で駆け上がっていた子猫。真っ黒な袋の中で大きい声で鳴いていた子猫など、いずれも人間が手をかけた後、なんとか生き抜いてくれた子猫ばかりです。生き抜いてくれた子猫は、ミルクボランティアさんや預かりボランティアさんがその成長をサポートしてくれていますが、残念ながら人間の身勝手な遺棄や殺傷を受け亡くなってしまう子猫も後を絶たないのが現実です。犬猫の遺棄は重罪です。なんらかの事情で犬猫を飼えない、お世話できないという場合は、どうか地元の保健所、動物病院、動物愛護団体に一度相談してみてください。高知県では外猫の不妊手術の助成金が支給されます。市区町村によっては飼い猫も対象となるところもありますので、未去勢の猫がそばにいる方はぜひお問い合せしていただきたいと思います」

冒頭の遺棄例はあまりに酷い話ですが、団体では「あえて伝えなければ」と公表することを決断しました。

悲しい現実をより多くの人が知り、そして行き場を失う犬猫に関する議論はより多く交わされるべきだと思いました。あまりに酷い末路を辿る犬猫が1匹でも多く減ることを願うばかりです。

アニマルサポート高知家
https://anisupo.jimdofree.com/

(まいどなニュース特約・松田 義人)