Googleが自ら定めたポリシーに違反して「10代の子どもをターゲットにした広告」を表示する方法をアドバイスしていた
Googleは「子どものための広告配信保護対策に関するポリシー」を定めており、YouTubeを含むGoogleのサービスで子どもに対するターゲティング広告の配信を禁止しています。ところが、広告関連のウェブメディアであるAdweekが、「Googleの営業担当者がポリシーに違反する『ティーンエイジャーにターゲティング広告を配信する方法』を広告主にアドバイスした」と報じました。
https://www.adweek.com/programmatic/exclusive-google-suggests-buyers-target-teens-going-against-its-policies/
Report: Google encouraged advertisers to target teens on YouTube
https://searchengineland.com/google-advertisers-target-teens-youtube-445403
Google sales reps allegedly keep telling advertisers how to target teens - The Verge
https://www.theverge.com/2024/8/21/24225326/google-target-teens-ads-unknown-users
2024年8月初め、GoogleとMetaが未成年者のオンライン上での扱いに関するポリシーを回避し、YouTubeで10代の若者にInstagramのターゲティング広告を配信する秘密協定を結んでいたことが海外メディアのFinancial Timesによって報じられました。
GoogleとMetaが10代の若者をターゲットにした秘密の広告契約を締結していたという報道 - GIGAZINE
Financial Timesが入手した内部文書には、Googleは広告システムで「unknown(不明)」に分類されたユーザーに対し、10代の若者をターゲットにしたInstagramの広告を表示する実験を行っていたことが記されていました。
ユーザー属性で「不明」に分類されているユーザーには、アカウントにサインインしていない人や、パーソナライズド広告をオフにしている人が含まれています。その中には未成年でない人もいますが、未成年者も多く存在しているそうです。
今回Adweekに証言した3人の広告主によれば、Googleの営業担当者はMeta以外の広告主にも、「『不明』に分類されたユーザーをターゲットにすることで、10代の若者にターゲティング広告を配信できる」とアドバイスしていたとのこと。
記事中では身元が伏せられている1人目の広告主は、「10代の子どもを持つ親をターゲットにする」といった方法で、間接的に10代の若者をターゲットにしているクライアントと協力していました。Googleの営業担当者は2024年8月にこの広告主へ送ったメールで、「不明」に分類されたユーザーには10代の若者がいる可能性があるため、広告の配信対象にした方がいいとアドバイスしました。
1人目の広告主はAdweekに対し、「営業担当者があれほど露骨にアドバイスしてきたことにショックを受けました」と語り、もともと10代の若者が「不明」に分類されていることを知らなかったと述べています。
2人目の広告主は、その広告主のクライアントであるエンターテインメントブランドの担当者と、Googleの営業担当者のやりとりについて証言しています。その話によると、ある会議でクライアントが「YouTube上で10代の若者にターゲティング広告を配信できない」と不満を漏らし、Googleの営業担当者に向かって「Metaに乗り換える」と脅したところ、Googleの営業担当者は「『不明』に分類されたユーザーにターゲティング広告を配信してはどうか」と提案したとのことです。
また、Googleの営業担当者は3人目の広告主にも、ユーザー属性が「不明」のプールにターゲティング広告を配信することで、「可処分所得がある16歳以上のユーザー」にアプローチできるとアドバイスしていたそうです。
Googleの広報担当者はAdweekに対し、「私たちは18歳未満のユーザーにパーソナライズされた広告を厳しく禁じています。私たちのポリシーは技術的な保護によって強化されており、適切に機能し続けています。私たちは今回の問題を非常に深刻に受け止めており、これまで述べてきたように、ポリシーを回避しようとする代理店や広告主の試みを手助けしないよう、営業担当者に追加措置を講じる予定です」と述べました。