「渋谷サクラステージ」の開業式典(前列中央が岸田文雄首相) 提供:東急不動産

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「東急グループは渋谷駅周辺で100年に1度と言われる大規模再開発を推進している。『渋谷サクラステージ』は、そのラストピース」と話すのは東急不動産ホールディングス社長の西川弘典氏。

 7月25日、東急不動産渋谷駅直結の複合施設「渋谷サクラステージ」の開業式典を行った。オフィス部分は開業し、入居が進むが今回は商業施設がオープン、「まちびらき」となった。

 この再開発は1999年の旧再開発準備組合の設立から25年の歳月を経て完成した。オフィス、商業施設に加え、渋谷駅中心地区で唯一の住宅、国内外の利用を見込む「サービスアパートメント」を備える。さらに「地元の皆様の悲願」(西川氏)だった、JR渋谷駅の新南改札が移転、駅からのアクセスがさらに向上。渋谷駅の人の流れが大きく変わることになる。

 ドコモ・インサイトマーケティングの調査によると、オフィスビル開業後、直近24年3月は着工前の19年3月と比較して周辺の人流は143%増加したという。新南改札の使用改札で、この流れはさらに加速する。

 この桜丘エリアは渋谷駅前でありながら、ライブハウスや楽器店など独自のカルチャーを育んできた街でもある。渋谷サクラステージでは、カルチャーを軸とした施設づくり、スタートアップやクリエイターを育成する仕組みづくりに注力していく。

 開業式典には岸田文雄首相も出席。渋谷がベンチャー企業の集積で「ビットバレー」と呼ばれたことに触れ「今は2000社を超えるスタートアップが集結し、『令和のビットバレー』と言える活況。次世代を担うスタートアップがここから羽ばたくことを期待したい」とエール。

 渋谷サクラステージの完成で渋谷駅周辺は東西南北がつながった。今後もさらに街は姿を変えていくことになる。