とちぎテレビ

栃木県は、二酸化炭素などの温室効果ガスの排出を実質ゼロに抑えるカーボンニュートラルを2050年までに実現させるため19日、宇都宮市で新たな県民運動のキックオフイベントを開きました。

ライトキューブ宇都宮で行われたキックオフイベントにはおよそ400人が集まり、冒頭、福田富一知事が「気候変動の影響は確実に私たちの生活に及んでいる。脱炭素の行動が豊かな暮らしにつながる姿を示し、行動変容を強く後押ししたい」と挨拶しました。

そして、カーボンニュートラル実現に向けた新たな県民運動の名称がお披露目されました。「とちぎカーボンニュートラル15アクション 県民運動」。ステージには、この記念の日を盛り上げようと栃木県出身のお笑いコンビU字工事が登場。2人は「自分が出している二酸化炭素の確認」や「食品ロスの削減」など新しい県民運動で刷新された15の行動を笑いを交えながら説明し、参加を呼び掛けました。

県では、温室効果ガスの排出量を削減するため、2017年5月に、県内全ての市と町と共同宣言を実施し県民運動を展開してきました。20年12月には福田知事が栃木県も2050年までにカーボンニュートラルを実現させることを宣言し、それに向けて県独自のロードマップを作りました。

新たな県民運動は、ロードマップの取り組みのひとつで、実施する背景には30年度までの削減目標が基準となる13年度と比べて26%から50%と大幅に引き上げられたことなどがあります。

県内の21年度の温室効果ガスの排出量は、二酸化炭素の換算で1千641万トンと、前年度と比べて0.6%増えていて、現状の延長線ではロードマップ通りにいかないため、県は、取り組みの加速化を目指しています。

キックオフイベントの会場には、環境にやさしい県や企業の取り組みを紹介するブースが並んだほかカーボンニュートラルに関して幅広い業務に携わっている柳田晃輔さんが講演し「日本国内の二酸化炭素の排出は、消費ベースで60%が家計からきている。家庭の選択次第で削減が可能」と訴えました。