50代になると老後に不安を感じることも多くなりますが、ESSEonlineライターの酒井理砂子さん(現在56歳)もその1人。ですが、酒井さんは50代でインスタグラムを始めたことでその不安が解消され、自己肯定感が上がり、若返ったと感じることが増えたそう。酒井さんにインスタグラムで自己肯定感が上がる理由をお聞きしました。

50歳を過ぎて、年金の足しにと始めたSNS副業

自分で言うのもなんですが、最近自分が若返ったと感じます。その要因の1つは、インスタグラムを始めたこと。じつはインスタグラムを始めてから、自己肯定感がどんどん高くなり、毎日が楽しくなったんです。周りからも「楽しそう」「イキイキしてる」と言われることも増えました。

【写真】酒井さんと暮らす犬

50歳を過ぎたころから定年後の生活を意識するようになりました。定年は60歳ですが、嘱託社員として雇用の継続は可能です。しかし給料はかなり下がります。65歳からの年金生活では、さらに使えるお金が少なくなります。そのことに気づいてから頭をよぎったのが、今の生活を維持できる? という思い。

急に不安になって支出を計算してみたり、年金額を算出してみたり、はたまたこれから投資でどうにか資産を増やせないだろうかと考えてみたりしました。しかし支出は急に減らせないし、年金額だってなかなか増やせない。投資もリターンの大きいものはリスクも大きいから怖い。さて、どうしたものかと考えてたどりついたのが、ブログやインスタで収益を得ようということでした。

約2年でブログとインスタグラムの収益がアップ

仕事もそれほど忙しくなかったですし、とくに趣味もなく家にいるのが好きだったので、ブログやインスタに費やせる時間はたくさんありました。会社に行っている以外はほとんどブログやインスタに触れていました。最初は苦労しましたが、一年経ったくらいから月2〜3万円の収益が出るようになり、2年経った頃には月20万円の収益を得ることに成功したんです。

収益より大きなものを得た「自分の居場所」

もちろん収益が出たのはとてもうれしいのですが、それよりもっと大きいのは「自分の居場所」ができたこと。

正直、50代になってから会社では疎外感を感じていました。今まで任されていた仕事も若手中心に移行され、自分はあまり必要とされていないなと感じる場面も多くなっていました。なのにインスタグラムではフォロワーさんから、コメントやDMでいろんな質問をいただいたり、私が勧めたものを買って感想を教えてくれたり、悩みを相談してくれる方までいます。「私、必要とされている」と感じることで、自己肯定感が爆上がりしました。

自分の「好き」を発信すると仲間が集まる

収益化を目指すには、それなりに努力が必要ですし、勉強もしなければなりません。ただ、趣味として発信するなら誰でもできます。インスタグラムのアカウントを開設するのは無料ですし、動画の編集なども無料のアプリで簡単にできます。

そこで自分の好きなことを発信すると、そこに共感してくれる人が集まってくるんです。これって、楽しくないですか?

50代になるとなかなか新しい友人をつくるのは難しいですし、あまり距離感が近すぎるのも気疲れしますよね。でもSNSでのつながりって、程よい距離感が保てるのもよいところ。共通の趣味や好きなことでつながりつつ、パーソナルな空間も確保できる。なにか失敗したらアカウントを削除してしまえばいいんです。

SNSって悪い面が大きく取り上げられることが多いので、避けてしまっている人もいるかもしれませんが、それほど怖い場所ではないので、ぜひチャレンジしてみてほしいなって思います。

SNSで気をつけた方がいいこと

そうは言っても注意した方がいい点はあります。それは、個人情報を発信しないこと。家の中を撮影する際に、住所や電話番号が書かれた郵便物などが写っていたりしないか、そのあたりは注意した方がいいですね。

また、よくわからない外国人からのDMも要注意。ロマンス詐欺の可能性が高いので、怪しいなと思ったら即ブロック(インスタグラムの機能で、ブロックすると相手から自分のアカウントは見えなくなります)です。

なんだか脅すような内容になってしまいましたが、デメリットよりメリットの方がはるかに大きいと思います。

発信のネタを探しながら日々を送っていると、毎日の些細な出来事も貴重なことに思えてきて、生活にハリが出るのもよい点です。