Amazon、Prime Video向けのUIを大幅刷新、生成AIも導入
新しいPrime Videoのユーザーインターフェース。以下画面は全て英語版
(C)Prime Video
Amazonは、同社が提供する映像配信サービス「Amazon Prime Video」にて、ユーザーインターフェース周りを大幅に刷新する。導入は今後数週間のうちに順次提供されていく予定だ。対象となるのは、ウェブやアプリはもちろん、現在使用できるFire TVやスマートテレビ向けアプリなど、ほぼすべての機器となる。
現行のFire TVのUI。写真はパナソニックのVIREA搭載のもの
この変更は全世界で行なわれ、日本語も含まれるが、以下記事では英語版のUIで説明するため、その点ご了承いただきたい。
よりシームレスで見つけやすいUIに
Amazonの説明によれば、今回の変更の狙いは、「コンテンツをシームレスに扱うこと」と「視聴したいものを素早く見つけること」だという。
Prime Videoには多数のコンテンツが用意されており、さらに、他社との提携による「チャンネル」もある。各チャンネルに加入するとコンテンツ量はさらに増大する。だからこそAmazonとしては、多数のデバイスでよりシンプルに、多くの人が観たい作品へと辿り着けるよう、UIの変更を行なう必要があった。
今回の変更では、画面の上部に新たに「ナビゲーションバー」が用意される。ここからは「Movie」「TV Show」「Sports」「Live TV(注:放送のライブネット配信)」の他、「Prime」のリンクが用意される。
画面上部には「ナビゲーションバー」が登場
(C)Prime Video
「Prime」のリンクからはもちろん、Prime Videoに含まれる独占コンテンツなどをまとめて探せる。
またナビゲーションバーには、チャンネルとして提供される各社コンテンツなどの種別が並ぶことになる。
結果として、サービスごとにコンテンツをより探しやすくなる。「チャンネル」へのサブスクプリション追加も一元化され、より行ないやすくなるという。
それぞれの地域でのトップ10などの表示も追加される。
また特にFire TVやスマートテレビなど、リビング向けの機器については、より「フルスクリーンでコンテンツを選ぶ」形が重視される。作品の代表的なイメージの再生頻度が多くなり、選びやすくなる。また、ライブ配信がある場合には、それらを選ぶとすぐに自動再生が始まる。
リビング向け機器の新UI。人気トップ10コンテンツなどの表示も
(C)Prime Video
レコメンドや紹介文に「生成AI」を導入
いわゆるレコメンデーションについても改善が進む。
レコメンデーションの構築に生成AIが導入され、「Movie」や「TV Show」などの項目ごとに、利用者の興味に合わせてグループが作られ、作品が提示されることになる。
作品のサムネイルとともに表示される作品紹介・解説用の文章にも、生成AIを使った要約などが導入され、状況に合わせた長さのものが提供されるという。紹介文自体の出てくる頻度も増える。
レコメンデーションや作品紹介文には生成AI技術も活用
(C)Prime Video
これらUIで利用する生成AIは、AmazonのWebサービス部門であるアマゾン ウェブ サービス(AWS)の生成AI基盤であるAmazon Bedrockが使われるという。
なお、生成AIの導入はすべての言語で行なわれるものの、実際にどのくらいの品質の紹介文が生成されるのかは開示されておらず、実際のサービスでの品質を見るまで判断できないことを申し添えておく。