FOSTEX、新平面振動板の最上位ヘッドフォン2種。伝統の本藍染め
写真左から「TH1100RP」(オープン型)、「TH1000RP」(密閉型)
フォスター電機は、日本伝統の本藍で染め上げたハウジングに、新開発の平面振動板RPドライバーを内蔵したプレミアムヘッドフォン「TH1000RP」(密閉型)、「TH1100RP」(オープン型)の2機種を8月下旬より発売する。価格はオープンプライス。店頭予想価格は、TH1000RPが316,800円前後、TH1100RPが376,200円前後。
フォステクス独自開発の、最新型プレミアムグレードの全面駆動型平面振動板RPドライバーを搭載。さらに、日本を代表する藍染めとして知られる徳島の阿波藍で染めた無垢材ハウジングを用い、国内工場で組み上げたというRPヘッドフォンのフラッグシップ。
「伝統の本藍染めならではの一つひとつ異なる木目の美しさを引き出した唯一無二の風合い」と、「50年続くフォステクスの平面振動板RPテクノロジー」が楽しめるという。
TH1000RP(密閉型)
TH1100RP(オープン型)
今回搭載する新開発のプレミアムRPドライバーは、従来のT50RPmk3/mk4のRPドライバーよりも大型化した平面振動板を使用。
振動板を挟み込むマグネットを増量し、新設計のプリンテッドコイルのパターン形状を採用することに加え、磁気回路の構成部品も一新して磁束分布を最適化することで、振動板の不要共振を抑え鋭いレスポンスでの音の立上がりと立下がりを可能にした。
これにより、高感度化と滑らかな周波数特性、優れた過渡特性を同時に達成。重低音域から高音域まで正確かつ繊細に再生可能とすることで、クリアな音像を明確な定位感で空間に表現する能力を実現したという。
ギターの材料で知られるハードメイプルの無垢材ハウジングを、古くから高級染め物で重宝される徳島県の阿波藍で染め上げているのも特徴。熟練職人の手によりひとつひとつ丁寧に染め上げることで、ハードメイプルならではの木目が美しく現れる深い藍色に仕上げた。
植物の藍のみで作られた「本藍」による染色は、ハードメイプルの硬質で比重が重く音に余計な色付けをしない特性を生かすことができ、しっかりとした深みのある低音域、クリアで伸びやかな高音域が楽しめるという。
オープン型のTH1100RPは、ハウジング開口部にアルミニウム製エッチングパーツを二重に配し開口率と各内部パーツを綿密に微調整することで、オープン型RPのプレミアムに相応しい解像度が高く聴き疲れしにくい自然な音場の再現を目指した。
TH1000RP(密閉型)
ハウジングのベースプレートやハンガーなどの機構部品には、マグネシウム合金を新規採用。アルミ比で20%軽量化するだけでなく、回転機構部にゴム製パッキンを採用することで余分な振動を極力排除。各部品の細部まで配慮する設計思想により、さらに装着感を向上させた。
左右非対称形状とすることで装着感を最適化した新形状のイヤーパッドには、低反発クッションと、従来比3倍に耐久性を高めたシルクプロテイン製合皮を採用。また、ヘッドパッドとヘッドバンドには天然素材のシープスキンを採用することで、しなやかで良好なフィット感と、使い込むほどに変化する風合いを可能にした。
TH1100RP(オープン型)
7N(99.99999%)グレードの高純度OFCアンバランスケーブル(Y型2m)を付属。プラグは6.3mmのステレオ標準プラグ。内部配線にも7Nグレードケーブルを使うだけでなく、硬度が高く耐摩耗性・耐食性に優れたロジウムメッキ処理の着脱式コネクタ端子とヘッドフォン本体側着脱部接点端子を採用している。
別売のXLR端子ケーブル(ET-H3.0N7BL)でバランス接続にも対応。4.4mmのバランスケーブル(ET-TH4.4BL)も発売予定という。
インピーダンスは32Ω。感度(暫定)は、TH1000RPが100dB/mW、TH1100RPが96dB/mW。最大入力は3,000mWで、再生周波数帯域は10Hz~40kHz。ケーブルを除く重量は約420g。