アトランタ五輪のブラジル戦で決勝点を挙げた伊東。(C)SOCCER DIGEST

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 J3のアスルクラロ沼津に所属する元日本代表のMF伊東輝悦が、城彰二氏のYouTubeチャンネルに出演。2人が共闘した1996年のアトランタ五輪を振り返った。

 同大会のグループステージ初戦でブラジルと対戦した日本は、1−0で勝利。サッカー王国相手の大番狂わせに“マイアミの奇跡”と伝わる一戦で、72分に値千金の決勝弾を挙げたのが伊東だった。 

 自陣での伊東の縦パスと城のポストプレーから、前園真聖が左サイドに展開。路木龍次がアーリークロスを入れると、城は収められなかったが、相手のDFとGKが接触して処理できず、こぼれ球を伊東が押し込んだ。

 日本サッカー史に残るゴールは、伊東の鋭い読みから生まれた。今も現役の49歳は、こう回想する。

「自陣でボールを取って、ゾノさんにパスが入って。ボールがそこに入った時に、バッて顔を上げているわけじゃん。『うわ、これ行けるかもしれねえ』とは思った。そこで走ったの」
【動画】城彰二&伊東輝悦がアトランタ五輪のブラジル戦を語る!
 この発言に、城氏は「その時点で思ったの? すげー」と驚く。

 想定外のこともあった。伊東は「彰二の方に路木が出したパス。あれを走りながら『俺に出せよ』と思っていた。そうしたら、彰二の方に行ったから『あ、そっち行ったんだ』と思っていたら、『おお、おお、どうなってんだよ』と思って」と述懐する。

 また、伊東は城氏がボールに触っていると思っており、そのまま見送れば城氏のゴールになると考えていた。

「ギリギリまで迷ったからね。ボールに触るかどうか。ずっと迷ったよ。そのまま流そうか。俺が触っちゃえば、彰二のゴールを俺が奪うことになる。ああ、これ、どうしようか、どうしようかって」

 伊東の“気遣い”に、城氏は「凄いよね。そんなこと考えるなって話」と笑った。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部