後半は試合内容で日本を圧倒したフランス。写真:金子拓弥(サッカーダイジェスト写真部)

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 大岩ジャパンがフランスと1-1で引き分けた強化試合でもっとも印象に残ったのは、藤田譲瑠チマの先制弾でもミシェル・オリセーの同点ゴールでもない。何より衝撃だったのは、後半開始と同時に猛プレスを仕掛けた日本を容易くかわしてシュートまで持ち込んだフランスの理不尽な冷静さと技術だ。「これを物ともしないのか」と、驚きを隠せなかった。

 試合映像をもう一度見られる方は是非確認してほしい。後半開始から25秒までのフランスの攻撃を。最終的にアレクサンドル・ラカゼットのシュートは惜しくもゴールにならなかったが、これでリズムを狂わされたように映った日本はその2分後に失点している。

 細谷真大のプレス、その後の藤田の寄せのタイミング、さらにサイドでの大畑歩夢の対応はいずれも悪くなかった。褒めるべきはそれを上回る技術と判断でチャンスを作り出したフランスのクオリティだ。
 
 あのプレスを無効にされると、正直、きついと思う。チームとして相手をハメようとしてボールを奪取できなかった時のショックはことのほか大きいからだ。

 あの25秒で“プレスを仕掛けても取れるのか”と、そんな迷いが日本に刷り込まれたからこそ、後半は明らかなフランス・ペースになったのではないか。いずれにしても、日本のプレスを華麗にかわしたフランスの怪物ぶりは押さえておくべきで、こうしたチームを倒さないと日本のメダル獲得は難しい。

文●白鳥和洋(サッカーダイジェストTV編集部)

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