とちぎテレビ

梅雨が明けてすぐの時期は体が暑さに慣れず「熱中症」のリスクが高まるとされますが、栃木県のまとめでは18日午後4時現在、入院が必要となる「中等症」で2人が救急搬送されました。熱中症から命を守るためにはどうしたらいいかを考えるセミナーが18日、高根沢町で開かれました。

このセミナーは環境保全活動などに取り組む「エコ・ハウスたかねざわ」の指定管理者であるNPO法人「ふるさと未来Sou」が開いたものです。福祉施設の職員や民生委員などが参加しました。

このところ熱中症による死亡者の数が全国的に増加傾向にあることなどから、国は今年4月、気候変動適応法を改正し、高齢者など熱中症になりやすい人への見守りや声掛けを進める「熱中症対策普及団体」の制度を設けました。「ふるさと未来Sou」は令和6年6月、県内で初めて「熱中症対策普及団体」の指定を受けています。

講師を務めたのは地域の消防署の職員や保健師などで、去年、熱中症により救急搬送された人の数は全国で9万1千人を超え、県内では1300人余り、塩谷広域行政組合の管内でも2020年に比べて1.6倍に増えていることなどが説明されました。

また全国の死亡者のおよそ9割は65歳以上の高齢者で、そのうち9割以上が屋内で亡くなっていて、多くのケースでエアコンを使っていなかったということです。特に、高血圧や心臓疾患といった持病で降圧剤や利尿剤を服用している人は注意が必要です。

セミナーでは熱中症の予防や対応策の他、気候変動の現状などが説明され、参加した人達が熱心にメモを取るなどしていました。

高根沢町では役場や町の施設、スーパーなどを暑さから避難できる「クーリングシェルター」に活用しているほか、毎日朝9時に防災無線で注意の呼びかけを行うなど熱中症対策に取り組んでいく方針です。