文福堂印房、外国人客からのハンコ注文が累計2000本突破。オンラインギャラリー開設も

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 文福堂印房(東京都品川区)は7月17日に、外国人客からのハンコの注文が累計2000本を突破するとともに、累計2000本突破を記念した日本語版・英語版のオンラインギャラリーを開設したことを発表した。

●品川・大井町の老舗印鑑店・三代目店主が「デュアルハンコ」の人気の秘密を語る



 文福堂印房にて提供している、最短30〜60分程度でハンコが完成し、注文したその日に受け取れるスピード製作サービスは、これまでも在留外国人に多く利用されていたが、近年はそれに加えて外国人観光客からの注文が急増しているという。

 とりわけ、外国人観光客の入国制限が大幅に緩和された2023年春以降、同店を訪れる外国人観光客の数は新型コロナ禍以前の水準を上回っており、同店の店内には完成したハンコを手にして喜ぶ外国人客の写真が数多く掲示されている。

 外国人観光客から人気があるのは、同店が2018年に受注を開始した、漢字とアルファベットの両方が彫られている「デュアルハンコ」で、同店の三代目店主である松崎氏は「デュアルハンコ」人気の秘密について、

漢字やカタカナだけのハンコは、日本語が読めない人には何と彫られてあるかまったくわかりません。しかしアルファベットが彫られていることで、外国の方でも誰のハンコかひと目でわかります。

と語る。外国人客が「デュアルハンコ」を注文する際には、漢字の音と意味が一覧できる特製のファイルを参考に、好みの漢字を楽しみつつ選んでいく。松崎氏曰く、

多くの場合、慈・恵・理・真など、良い意味の動詞や形容詞を表す漢字が選ばれます。さらに私としては、できるだけ全体で何らかのストーリー性を持つ漢字の組合せをお薦めしています。たとえば、ジーニーという名前には『慈仁』ですね。この2つの漢字の組合せは『博愛と慈しみ』という素晴らしい意味を持ちます。

とのことで、外国人客が好んで選ぶ漢字には傾向があるという。

 累計2000本突破を記念して開設されたオンラインギャラリーでは、「デュアルハンコ」約700点の作例を使用する漢字の英語の意味もあわせて展示している。松崎氏は、同ギャラリーについて

名前を漢字で表すことに興味を持つ外国の方のほか、外国人の友人・知人・顧客などにハンコを贈りたいと考える日本人のお客様の参考にもなれば幸いです。

と語っている。