日本人独占のバンタム級 生き残り懸けた統一戦へ、中谷潤人が井上拓真を名指し「やりたい」
Amazon プライム・ビデオで生配信
ボクシングのトリプル世界戦が20日、東京・両国国技館で行われる。18日は都内で各選手が会見し、WBC世界バンタム級王者・中谷潤人(M.T)は同級1位ビンセント・アストロラビオ(フィリピン)と対面。初防衛戦を前に、期待される統一戦の相手としてWBA王者・井上拓真(大橋)を名指しで希望した。戦績は26歳の中谷が27勝(20KO)、27歳のアストロラビオが19勝(14KO)4敗。
中谷は落ち着き払っていた。「さらに大きなビッグファイトを期待してもらえる試合をするのがテーマ」。4つの世界王座を全て日本人が保持するバンタム級。特に求める相手を問われ、即答した。
「井上拓真選手とやりたい気持ちがあります。評価していますし、そういう選手とやれば自分も強くなれるのでやってみたい」
2月に同じ興行に出場し、WBA王座に就いた井上を挙げた。互いに4団体統一を視野に入れており、ファンが望むカードの一つでもある。「(統一戦へ)ヒリヒリして楽しめる自分がいる。楽しみながら自分のボクシングをしたい」。ビッグマッチへクリアしないといけないのが初防衛戦だ。
今月3日に約40日の米ロサンゼルス合宿から帰国。現地ではスパーリング90回と自身にとっては少なめにした一方、「力強く打つことにフォーカスした。力強いパンチでKOをお見せしていきたい」とサンドバッグ打ちを増やした。重心を落とし、下半身を安定させてより強い一発を放つ引き出しも追加。会見に同席した村野健会長は「調整もうまくいって力も漲っている。リカバリーして試合で最高のパフォーマンスをしてくれると思う」と期待した。
アストロラビオ「俺は日本に勝つために来た」、中谷「もちろんKOで」
相手のアストロラビオは2022年2月に元世界2階級制覇王者ギジェルモ・リゴンドー(キューバ)に10回判定勝ち。昨年5月のWBO世界バンタム級王座決定戦ではジェイソン・マロニー(オーストラリア)に敗れたが、挑戦者決定戦を制し、再び世界戦にたどり着いた。
会見では「4か月間トレーニングに励んできた。20日に向けて準備は万端だ。ナカタニは非常に素晴らしいボクサー。世界王者なのでそれはよくわかっている」と敬意を示し、相手より勝っていると思う部分には「ナカタニの母国・日本で行われるので、それがナカタニに有利になると思う。俺の強みはナカタニ以上にトレーニングに励んできたこと」と明かした。
「俺は日本に勝つために来た。だからベストを尽くして試合に勝ちたい。体重はこれ以上落とす必要はない。試合に向けて万全だ」
今回はWBCのマウリシオ・スレイマン会長も来日し、両者は会見で記念の盾の贈呈された。中谷はリミット53.5キロまで残り500グラムほど。挑戦者との写真撮影では、目線を送るカメラ位置を説明してあげるなど余裕を見せた。
世界で最も権威のある米専門誌「ザ・リング」の階級を超えた格付けランク「パウンド・フォー・パウンド(PFP)」において、日本人では2位の井上に次ぐ10位に入った次代の最強ボクサー。「(求めるのはKO勝ち?)もちろんです。相手は好戦的でパワフルな選手。集中して戦わないといけない。しっかり調整できているようなので20日が楽しみです」と試合を待ちわびた。
○…興行はトリプル世界戦。中谷のほか、WBO世界スーパーフライ級王者・田中恒成(畑中)が同級12位ジョナタン・ロドリゲス(メキシコ)と初防衛戦を行う。WBO世界フライ級王座決定戦では、同級2位・加納陸(大成)と同級3位アンソニー・オラスクアガ(米国・帝拳)が対戦。ボクシング転向4戦目の那須川天心(帝拳)がジョナサン・ロドリゲス(米国)と120ポンド(約54.43キロ)契約10回戦に臨む。「Prime Video presents Live Boxing」の第9弾として、Amazon プライム・ビデオで生配信される。
(THE ANSWER編集部)