もしやカビ?チョコレートに付いた“白い粉”の正体 食べても大丈夫?有識者「体に害はありませんが」

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 暑くなってきたこの季節、食品のちょっとした変化にも気を配る人も多いのではないでしょうか? 今回は、消費者の問い合わせ事例を参考に、チョコレートで気をつけたいことについて「コープこうべ商品検査センター」の担当者に話を聞きました。

――消費者からはどのような問い合わせがあるのでしょうか。

【担当者】 過去の事例の一つに、「チョコレートに白い粉がついている」というお問い合わせがありました。

――チョコレートに白い粉ですか? カビが生えてしまったようにも見えるのですが、少し違うようですね。

【担当者】 一見カビが生えたようにも見えますが、これはチョコレートの中の油脂が表面に浮き出てきたことで白く見えているのです。

チョコレートにはカカオバターが含まれており、製造工程では適切な温度管理をすることで均一に混ざりあった、なめらかな状態に仕上げられています。カカオバターは28度前後で溶けはじめるため、温度上昇の影響をうけてカカオバターが溶けたあとに再度固まると、分離した油脂が白い粉のように見えます。

今の暑い時期ですと、温度が上がってやわらかくなったチョコレートを冷蔵庫で冷やして元に戻そうとすると、お問い合わせのように白い粉がついた状態になってしまうことがあります。

なお、チョコレートには水分含有量が少ないため、カビが生えることはまずありません。

――チョコレートの中の油脂が表面に浮き出てくるこの現象、不思議ですね。

【担当者】 この現象は「ブルーム現象」と呼ばれており、「花が咲く」や、ぶどうなどの果実や葉の表面にできる白い粉を指す「ろうふん」という意味の単語「bloom(ブルーム)」が由来になっています。

チョコレートのブルーム現象

――ブルーム現象が起きたチョコレートを食べても問題はないのでしょうか。

【担当者】 体に害はありません。ただ、チョコレートの風味や食感は変わってしまっており、本来のおいしさは失われてしまっています。

――ブルーム現象を起こさないためにはどのようなことに気をつければよいでしょうか。

【担当者】 チョコレートは熱に対してデリケートなお菓子ですので、これからの暑い時期は、「直射日光に当てない」「暑い場所に長時間置かない」という点に気をつけてください。

――これから暑い日が続きますから、暑い日のお買い物帰りはできるだけまっすぐ帰ることが大切ですね。

【担当者】 そうですね。暑い時期だけでなく、寒い時期にもブルーム現象を起こさないための注意が必要になります。寒い時期に気をつけていただきたい点としては、「暖房のききすぎた部屋に置かない」「火のそばやストーブなどの近くに置かない」などがあります。

――暑くても寒くても、商品の温度が上がりすぎないよう注意が必要ということですね。

【担当者】 ブルーム現象のお問い合わせは、暑い季節・寒い季節ともにあります。おいしく食べるためにも、ぜひ注意してください。

※ラジオ関西『三上公也の朝は恋人』より