2024年7月上旬、アメリカ・テキサス州をハリケーン「ベリル」が襲い、猛烈な風と豪雨によって大きな被害をもたらしました。ベリルによってテキサス州最大の都市ヒューストンでは多くの世帯が停電に見舞われましたが、電力会社による情報提供が不十分なため、「ハンバーガーショップのアプリ」が停電地域を把握するために利用されているとのことです。

Texans Outraged After Whataburger App Works Better Than Power Company - Newsweek

https://www.newsweek.com/texans-outraged-whataburger-app-works-better-centerpoint-energy-1922934



Whataburger app becomes unlikely power outage map after Houston hurricane | TechCrunch

https://techcrunch.com/2024/07/09/whataburger-app-becomes-unlikely-power-outage-map-after-houston-hurricane/

ハリケーン「ベリル」は7月8日にテキサス州南東部に記録的な豪雨と暴風をもたらし、テキサス州ではヒューストンでは一時約180万世帯が停電する事態となりました。その多くはヒューストンの主要電力会社・CenterPoint Energyの顧客でしたが、CenterPoint Energyのオンライン停電トラッカーはオフラインだったため、どれほどの範囲に停電が広がっているのか、どれほど復旧しているのかを判断することが難しかったとのこと。

そんな中で注目を集めたのが、テキサス州サンアントニオに拠点を置くハンバーガーチェーン・Whataburgerのアプリでした。Whataburgerのアプリには店舗の営業状況マップが存在し、ヒューストン地域を含むテキサス州各地に店舗があるWhataburgerの営業状況マップを確認することで、どこが停電しているのかが判別できるというわけです。海外メディアのNewsweekによると、Whataburgerはヒューストン地域に127店舗を出店しているそうです。

X(旧Twitter)ユーザーのBBQ Bryan氏が投稿した以下の埋め込みポストを見ると、営業している店舗はオレンジ色で、閉店している店舗は灰色で示されているのが確認できます。



この投稿が大きな注目を集めたため、Whataburgerアプリのダウンロード数は一気に増加。3週間前まで食品および飲料カテゴリで40位だったのが、一気に16位まで押し上げられたとのことです。

この状況を受けてWhataburgerの公式Xアカウントは、「私たちのアプリには、私たちですら考えもしなかった用途があるのです!あなたと他の皆さんが無事であることを願っています!」とBBQ Bryan氏にリプライを送りました。



Whataburgerのエド・ネルソンCEOはNewsweekに対し、「Whataburgerはいい時も悪い時もあなたのそばにいる友人です。Whataburgerアプリがヒューストンの住人にとって、市内のどこで電力が利用可能かを理解する役に立ったことをうれしく思います」とコメント。その上で、Whataburgerの営業状況はあくまで目安にとどまるため、正確な状況を知るには地元の電力会社に連絡した方がいいとアドバイスしました。