半導体メーカーのAMDが2024年7月10日に、フィンランドのAIスタートアップ「Silo AI」を買収したことを発表しました。買収額は約6億6500万ドル(約1070億円)で、AMDのAI能力を強化するねらいがあるとのことです。

AMD to Acquire Silo AI to Expand Enterprise AI Solutions Globally :: Advanced Micro Devices, Inc. (AMD)

https://ir.amd.com/news-events/press-releases/detail/1206/amd-to-acquire-silo-ai-to-expand-enterprise-ai-solutions



AMD to Acquire Silo AI to Expand Enterprise AI Solutions Globally

https://www.silo.ai/blog/amd-to-acquire-silo-ai-to-expand-enterprise-ai-solutions-globally

AMD to acquire Finnish startup Silo AI for $665 mln to step up in AI race | Reuters

https://www.reuters.com/markets/deals/amd-acquire-finnish-startup-silo-ai-665-mln-step-up-ai-race-2024-07-10/

フィンランドのヘルシンキに拠点を置くSilo AIは、フィリップスやロールスロイス、ユニリーバなどの顧客にエンドツーエンドのAIソリューションや大規模言語モデルのSiloGenなどを提供しています。また、AMDプラットフォーム上で、「Poro」や「Viking」などのオープンソースの大規模言語モデルなどを開発しています。

そんなSilo AIをAMDは約6億6500万ドルで買収することを2024年7月10日に発表しました。

AMDのシニアバイスプレジデントであるヴァムシ・ボッパナ氏は「あらゆる業界で、企業は独自のビジネスニーズに合わせてAIソリューションを開発および展開するための迅速かつ効果的な方法を模索しています。Silo AIの信頼できるAI専門家チームと、AMDプラットフォーム上に構築された最先端の大規模言語モデルを含むAIモデルとソリューションの開発実績により、当社のAI戦略がさらに加速し、世界中のお客様向けのAIソリューションの構築と迅速な実装が実現できます」と述べています。



また、Silo AIのCEO兼共同創設者のピーター・サーリン氏は「Silo AIの創設当初からの使命は、AIのフラッグシップカンパニーを構築することでした。今回の発表は、AMDと協力してAIコンピューティングの未来を形作る上で、その追及における論理的かつ重要なステップです。Silo AIには、AIソリューションを成功に導き、お客様にその価値を提供してきた歴史があります。影響力の強いAMDの一員となることで、今日のAIを大規模に展開する際の最も複雑な課題に対処できるエンタープライズ・ソリューションとAIモデルを開発できることを楽しみにしています」と語りました。

AMDは、これまでにもAI関連ソフトウェア開発企業のNod.aiを買収しているほか、2023年7月からの12カ月間で12社のAI企業に対し、1億2500万ドル(約202億円)以上の投資を行っています。その目的は、AMDのAIエコシステムの拡大やパートナーのサポート、AMDコンピューティング・プラットフォームの強化を行い、ライバル企業であるNVIDIAに対する競争力を強化するためとみられています。

AMDがAIソフトウェア開発企業のNod.aiを買収、NVIDIAに対する競争力強化の狙いか - GIGAZINE



今回の買収に伴い、サーリン氏はボッパナ氏の元に配属され、AMD Artificial Intelligence Groupの一員としてSilo AIチームを率いるとのこと。AMDによるSilo AIの買収は2024年後半に完了する予定で、ボッパナ氏は「AMDの将来的なビジネスのかなりの部分が解き放たれることになるでしょう」との期待感を示しました。