渡邊雄太、6年間のNBA生活から選ぶベストプレー。敵地ファンの反応に「リスペクトしてくれているからこそ」
バスケットボール男子日本代表の渡邊雄太選手の密着ドキュメンタリー『渡邊雄太 不屈の挑戦|バスケ☆FIVE 特別版』(ABEMA SPORTSチャンネル)。
7月1日(月)、3日連続で配信される同番組の#1が配信された。
©AbemaTV,Inc.
渡邊選手は今シーズン限りで所属していたメンフィス・グリズリーズを退団。6年間のNBA生活に終止符を打ち、来シーズンからの国内リーグ復帰を予定している。
その去就にも注目が集まるなか、5月にハワイで取り組んでいた自主トレーニングに密着。パリ五輪を直前に控え、自身もNBAから国内復帰という岐路に立つ渡邊選手の今を追った。
◆不屈の精神のルーツ
どんな逆境でも諦めない不屈の精神を持ち、NBAでもそれを評価されてきた渡邊選手。そのルーツは幼少時代の父との特訓にあった。
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小学校時代、渡邊選手が「NBA選手になる」と父・英幸さんに誓ってから、「お前が真剣だったらいくらでも付き合ってやる」と二人の血の滲むような特訓の日々が始まった。
毎日朝6時に小学校の校庭にやってきてはドリブルなどの練習を続ける。しかし校庭にはバスケットゴールがなく、そこで英幸さんが考案したのが電柱をゴールに見立てての練習だ。
電柱に向かってシュートを放つ練習を当時の渡邊少年は繰り返し行っていた。
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「リングないのを理由にしたくなかった」と自身も実業団のバスケットボール選手として、環境に恵まれないながらも努力し続けてきた父に“不屈の精神”を教え込まれたのだ。
この練習について渡邊選手は「ボールをまっすぐ飛ばさないと、あっちいったりこっちいったりして大変なので、電信柱を通して、まっすぐ投げる技術を学んだ」と振り返った。
◆全米を認めさせた気迫のプレー
NBA在籍3年目のトロント・ラプターズに所属していた際には、全米から認められたプレーがあった。
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相手選手がダンクシュートを決めるべく、勢いよく走り込んできたところに渡邊選手は果敢にブロック。結果は渡邊選手が無惨に吹き飛ばされ、ダンクシュートを決められたが、このプレーで周囲の見る目が変わったという。
「あの場面、NBA選手の99%は絶対にブロックに飛ばない。ダンクをされたら色んな人にバカにされる」と振り返る渡邊選手。続けて「僕はまた飛びます。避けるという選択肢は絶対にありえない」と同じシチュエーションが来てもアグレッシブなプレーをすると語っていた。
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このプレーがアメリカメディアで絶賛され、ファンの心に刺さり、2カ月後に初めてNBAの正式契約を勝ち取ったのだ。
◆渡邊雄太が選ぶベストプレー
渡邊選手自身が振り返るNBAでプレーした6年間のベストプレーは、ネッツ所属時代の対ラプターズ戦。1点差で負けているなか、残り14秒で決めた逆転の3Pシュートだ。
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このとき、渡邊選手にパスを出したのはNBAやオリンピックで優勝経験のある、カイリー・アービング選手。
渡邊選手は「実際あの場面、カイリーもシュートにいけた。でもコーナーで僕が空いたのを見つけてパスをしてくれて本当に嬉しかった」と、試合の勝敗を左右する局面で自分を信じてパスを回してくれたことへの思いを語った。
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さらに場所は前シーズンまで所属していたラプターズの本拠地。「アウェイだったので、盛り上がるというよりは、逆に『やられた』って感じの声が心地よかった」と試合の行方を固唾を飲んで見つめていたファンたちの反応、コートの空気感を振り返る。
「リスペクトしてくれているからこそ、あの反応なんだと思います」とこのプレーを自身のベストプレーにあげていた。
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