日本代表・富永啓生

写真拡大

 「バスケットボール男子・国際強化試合、日本89−90オーストラリア」(22日、北海きたえーる)

 世界ランク26位の日本は、同5位のオーストラリアと対戦した。両国ともNBA選手は不在で、相手は若手中心メンバー。日本は89−90で敗れた。

 第1クオーター(Q)は、主将の富樫勇樹(千葉J)が流れを引き寄せた。パスから吉井裕鷹の3点シュートを演出すると、今度は自らリングを射抜いた。残り1分15秒からは富永啓生が爆発。ドライブから大きくステップバックすると、フェイダウェイで長距離砲をさく裂させた。速攻の場面でもレイアップではなく、3点シュートを選択。リングに荒々しく当てて決め切り、6235人の観客が集まった会場を沸かせた。

 第1Qを27−15、第2Qを47−38とリードして折り返した。ただ後半からはオーストラリアの高さを生かした攻撃に苦戦し、終始劣勢。第3Q終了時点で61−58まで差を詰められ、最終Q3分過ぎに逆転された。

 吉井の3点シュート、富永のフリースローで食らいつき、残り15秒まで86−86と同点の大接戦。富樫がブザービートで3点シュートを沈めたが、わずか1点届かなかった。チーム最多18得点の富永は「パリに向けて初戦。勝つことができなくて悔しい。切り替えて明日は勝てるようにしたい」と23日の第2戦を見据え、富樫は「もう一度パリ五輪に向けて日本一丸で戦っていけたら」と話した。ホーバス監督は「勝ちたかった。負けて悔しい」としつつ、「こういう試合は勉強できる。これからですよ。全然ヘッドダウンしてない。大丈夫です」と前を向いた。

 昨夏のワールドカップ(沖縄)で、48年ぶりに自力で五輪出場を決めた日本。パリ五輪ではベスト8進出を目指す。トム・ホーバス監督は「3点シュート」、「リバウンド」の向上を課題に挙げており、その要素を含めてメンバー12人の選考を行っている。

 五輪まで残り約1カ月。予選リーグではW杯王者のドイツ、開催国のフランスなど対戦する。国内最後の実戦は、7月5、7日に行う韓国との強化試合2連戦(ともに東京・有明アリーナ)となっている。