山口県の阿武町役場

写真拡大

 山口県阿武町が誤入金した4630万円の大半を決済代行業者の口座に振り替えたとして電子計算機使用詐欺罪に問われた会社員、田口翔被告(26)=山口市=は21日、有罪とした一審判決を支持した広島高裁の判決を不服として、最高裁に上告した。

 同日、上告申立書を郵送した。

 懲役3年執行猶予5年とした一審判決を受け、田口被告は控訴。誤って振り込まれた4630万円を出金したことが、電子システムへの「虚偽の情報」の入力にあたるかが争点になったが、11日の高裁判決は被告側の無罪主張を退け、控訴を棄却した。

 上告の理由について被告の代理人弁護士は「高裁判決は憲法や判例に違反している。『虚偽の情報』という条文の文言からかけ離れた解釈がなされており、罪刑法定主義の観点からも社会的な影響が大きく、看過できない」とコメントした。(向井光真)