AI関連スタートアップがプライベート市場で著しく成長!EY調査、世界のIPOトップ地域が入れ替わり
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※https://www.ey.com/en_gl/insights/ipo/trends
IPOは、プライベートエクイティ(PE)企業が成し遂げる最高の成果の一つであり、自社の実力を世に知らしめる、成長過程における重要な節目だ。2024年1Qは、PEの投資を受けて約10件のIPOが実施された。うち5件は世界のトップ10のIPOとして位置付けられ、マーケットにおけるその存在感の大きさを示している。
大半の人工知能(AI)およびAI関連のビジネスは、まだシード期または初期段階にあるベンチャーキャピタル(VC)によって営まれているものの、その有望さと影響範囲の大きさによって、プライベート市場で著しい成長を遂げている。このことは、AI関連企業が公開市場へ進出する前にプライベート市場において成熟するため、数年後には、IPO件数が急増する可能性があることを示唆している。
■エリア別パフォーマンスの概要:AmericasとEMEIAでIPO活動が回復する中、Asia-Pacificでの活動が急激に鈍化
世界のIPO市場は、目下進行中のマクロ経済および地政学的ダイナミズムの影響を受けて、地理的にランキング上位国が大きく入れ替わっている。
Americasでは、2023年4Qおよび2023年1Qと比べても、引き続きIPO活動が盛んであり、前年比では件数が21%増の52件、調達額はなんと178%増の84億米ドルに及んだ。5億米ドル以上を調達したのは、2023年1Qでは1件のみであったのに対し、2024年1Qでは上位7件のIPOのすべてがこれを実現した。米国は、過去20年で最低の調達額を記録した2022年を経て、昨年来の市場上昇の波に乗り、ついに今年1Qに目立った回復を遂げた。
Asia-PacificにおけるIPO活動は、地域全体のセンチメントの弱さを反映し、1Qは前年比で34%減の119件、調達額は56%減の58億米ドルという結果となった。この落ち込みは、特に中国本土と香港において顕著で、IPO件数は半減以上、ディール規模はほぼ3分の2に減少した。これら2つの市場では、過去数年にわたってIPO活動が継続的に減少傾向にある。香港では、今年に入ってから10件のIPOが実施されたのみで、その中でも2件が1億米ドル超を調達し、調達総額は2010年以来最低の水準となっている。日本では、1QにAsia-Pacific地域で唯一IPO件数がわずかに増加し、2月には日経平均が歴史的最高値を更新した。
EMEIAのIPO市場は、年初来より目覚ましい成長を遂げ、1Qには前年比で40%増の116件のIPOにより58%増の95億米ドルが調達された。このように急増したのは、欧州とインドにおけるIPOの平均ディール規模が大きかったためで、EMEIAは2023年4Qから調達額で世界のIPOのマーケットシェア第1位を維持している。2019年以降、インドは特にIPOの件数で急速に注目を集め、現在では傑出したパフォーマーとして台頭している。