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 日本代表で主将を務めるMF遠藤航(31=リバプール)がパリ五輪に出場するU―23日本代表のオーバーエージ(OA)枠に内定したことが8日までに分かった。遠藤自身が出場を強く希望した中、日本協会がリバプールと粘り強く交渉を続け、派遣の承諾を得たという。遠藤は日本史上初の3大会連続五輪出場が決定的となった。日本代表はこの日、11日のW杯アジア2次予選最終戦のシリア戦(Eピース)に向けて広島入りし、練習を再開した。

 世界屈指の名門リバプールで活躍する遠藤が、日本サッカーに新たな歴史を刻むことになった。複数の関係者によれば、この日までにOA枠でパリ五輪出場が内定。世代で選出された16年リオデジャネイロ大会、OA枠で出場した21年東京大会に続く五輪3大会連続出場は、日本史上初の快挙となる。五輪メンバー18人は7月3日発表の見通し。68年メキシコ大会以来のメダル獲得へ、最強のピースが加わる。

 強い思いがかなった。五輪は開催時期が国際Aマッチウイーク外で招集には各クラブとの交渉が必須。世代の久保や鈴木唯らがクラブの派遣拒否により不参加となり、3枠のOAに関しても日本協会と各クラブとの交渉は難航を極めた。谷口、板倉、守田らが有力候補に挙がる中、リオで1次リーグ敗退、東京でもメダルを逃した遠藤は早くから出場を希望。6日のミャンマー戦前にも「五輪は凄く特殊で難しいけど個人的には代表でプレーすることは常に光栄だと思っています。その気持ちは変わらない」と出場へ強い思いを明かしていた。

 遠藤は昨夏、シュツットガルトからリバプールに電撃移籍。今季はアンカーとして公式戦43試合に出場し、当初の懐疑的な声を覆す活躍で評価を高めた。来季から今季限りで勇退したクロップ監督を継ぎ、フェイエノールトのスロット監督が新指揮官に就任するが、8日付の地元紙「リバプール・エコー」は、アンカーの先発に遠藤を予想。揺るがない評価もあってリバプールも派遣を承諾したもようだ。

 大岩ジャパンは4―3―3が基本布陣。遠藤はA代表同様に主将を託され、ポジションもA代表と同じアンカーで起用される可能性が高い。世代の同位置にはU―23アジア杯で輝きを放った藤田譲瑠チマ(22=シントトロイデン)が君臨するが、遠藤の加入で経験値はもちろん、中盤にさらに厚みが加わることになりそうだ。