オンライン会見を行った富永啓生(画像はスクリーンショット)

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オンラインで帰国報告会見

 男子バスケットボール日本代表の富永啓生が6日、オンラインで2023-204シーズン帰国報告会見を行った。2019年3月に愛知・桜丘高を卒業後、バスケの本場・米国に飛び込んで5年。NCAA(全米大学体育協会)1部のネブラスカ大ではエースとして活躍し、同州の親善大使に任命されるほどのスターとなった。そんな23歳に、異国での挑戦を志す“後輩”へのメッセージを聞いた。

 充実感が漂っていた。前夜に帰国したばかりの富永の顔には少し疲れも見えたが、米国での5年間を振り返ると柔らかい笑顔が浮かんだ。「毎日毎日練習した練習場やチームメートたち、バスケットに関わっていた時間が一番の思い出。ネブラスカでの3年間は一生忘れないと思う」。高校卒業後に飛び込んだバスケットの本場。英語が話せないところからスタートし、一躍スターにまで成長した。

 2019-20シーズンからNJCAA(全米短期大学体育協会)のレンジャー・カレッジに進学し、2021-22シーズンからネブラスカ大に編入。2季目に頭角を現した。今季は押しも押されもせぬエースに。自己最高の1試合平均15.1得点をマークするなど、同大の10年ぶり8度目のNCAAトーナメント(通称:マーチ・マッドネス)進出に貢献した。

「託される存在になれて嬉しかった」。愛知の若者は渡米から5年の今年4月、ネブラスカ州の親善大使に任命されるなど、英雄的存在にまで成長した。

 得意の3ポイントシュートに磨きがかかり、NBAウォリアーズの超大物ステフィン・カリーに例えられ「日本のカリー」と米メディアに評されることも。「最初と比べて人気が少しずつ出てきたのはありがたかった。楽しくやれて嬉しかった」。バスケの本場での挑戦をしみじみと振り返る。

 今月3日に発表された日本代表の第2次強化合宿参加メンバーには富永以外にも、ハワイ大のジェイコブス晶、ネバダ大の山ノ内勇登らも名を連ねる。これからも米大学進学を目指す日本の“後輩”は増えていくだろう。富永は「1つ言えるのは簡単な道ではないということ」と釘を刺しつつ、「自分のためになると思った」と経験を表現する。

「言葉も分からない中でアメリカに飛んで生活できたことは、これからの人生にとって成長させてくれる5年間だった。とてもいい経験になった」。様々な壁がある異国での生活は、富永の人間性をも大きくした。5年間で自信と評価を勝ち獲り、目指すは変わらず「NBA選手」。来季の所属先は未定だが、まずは日本代表に専念し、パリ五輪でのアピールを誓う。

(THE ANSWER編集部・鉾久 真大 / Masahiro-Muku)