「長期金利・東証一時・ドル円相場」トリプル安はいつまで続く?金子氏「1週間後の日銀金融政策決定会合で金融緩和の是非に迫られる」
5月31日(金)、大竹まことがパーソナリティを務めるラジオ番組「大竹まことゴールデンラジオ」(文化放送・月曜~金曜13時~15時30分)が放送。「トリプル安、金利動向見通せず 長期金利1.1%・東証一時900円安・1ドル157円台後半」という朝日新聞の記事を取り上げ、パーソナリティの大竹まことが休みのためジャーナリストの青木理と経済学者の金子勝がコメントした。
太田アナ(アシスタント)「長期金利が1.1%に上昇。東証一時が900円安。1ドル157円台後半をつけたという記事です」
金子勝「何故トリプル安というかというと、同時には起きないことが同時に起きてるってことなんですよ。普通は金利が上がって1.1%になりました。で、円安が157円になりました。同時には起きないよ。日本の長期金利が上がっていくならばどちらかといえば円が高くなるはずなのに同時に円安になってる。おまけに株も落ち始めている。そういうトリプル安っていうのは非常に経済危機状態であるというふうに言わざるを得ないのに、それを見出しにしたのは残念ながら朝日新聞だけ」
青木「これ、もうちょっと分かりやすくご説明してもらいたいんですけども、長期金利が上がってきたっていうのは、いわゆる黒田日銀の時に長期の国債の金利なんかもコントロールするイールドカーブコントロール(長短金利操作とも呼ばれ、長期金利と短期金利の誘導目標を操作し、イールドカーブを適切な水準に維持することを指す。)だっけ?それをしてたのを、こんなことをやっているのは世界中で日本だっただけだったらしいけれど、植田日銀にになって、それを止めると言っていましたが」
金子理「やめると言いながら「0から1%の誘導金利」というふうに言って、金融緩和を続けて金利の上昇はおさえますというふうに言ってるわけだ。もうアベノミクスは完全に理論的にも現実にも破綻して円安がひどくて、インフレがひどくなっていて、誰が見ても失敗してるのにまだ失敗じゃないっていってる人たちはまだいるんだけど…」
青木「でも、長期金利はじわじわと上がってきちゃってるわけでしょう?」
金子「というのは、投機筋が見ているのは要するに政策的にアベノミクスはインフレの下で破綻していて金融緩和を続けざるを得ない。だったら円安になるだろう。そういう発想が常にあるから円安でどんどん投機していけば損しないわけだ。それよりももっと確実なのはじわじわじわじわこの1カ月1%を声出してるわけ今。長期金利が。これが1.1になったわけ1.1ってのは結構大きいんだけど、これがまた上がる可能性があるわけ6月13から14日つまり1週間後に日銀金融政策決定会合というのが行われるわけ。この決定会合で金融緩和を続けるのか、続けないのか迫られちゃう」
青木「つまり長期金利はじわじわ上がってきちゃうし、今のインフレ状況だったら本来は金利を少し上げることをしていかなくちゃいけないんだけど、でも、金利を上げちゃうと日本の国債の負担が増えちゃうから上げられない」
金子「あと日銀が持ってる国債の含み損が増えちゃう。今9.4兆円。もっと上がるでしょう」