テレビでも動画配信サービスでも、お笑いか、大谷翔平くらいしか見ていない筆者が、連休中にぜひみなさんにチェックしてほしいと思っているのが「相席食堂」だ。鉄板と言えるような番組なのでご存じの方も多いだろうけれど、やはり面白いものは面白いので紹介したい。

お笑いコンビの千鳥がMCを務めるこの番組は、芸能人(や、まれに素人同然の人)が全国を街ブラロケし、その録画映像をスタジオで見ている2人がいちいちツッコミを入れていく、というスタイルで進んでいく。「新感覚旅バラエティ」を標榜するが(最近はそう言わなくなってきたが)、その実態はロケしている人と千鳥2人の壮大なコントだ(個人の感想です)。

各種動画配信サービスで見ることができるけれども、おすすめはPrime Video。他だと限定的にしか配信されていないのに対し、Prime Videoでは2018年のある程度初期の頃から始まって、トータルで300回分に近い数のエピソードがある。最新のシーズンを見るには「大阪チャンネルセレクト」(月額407円)に登録する必要はあるものの、直近の地上波で放送された最新話まで概ねカバーしている。10連休の人でもさすがに全話コンプリートするのは難しそうに思えるほど。

長州力の「食ってみな、飛ぶぞ」(Prime Videoではシーズン1 エピソード7)など一部でネットミームと化している名言が飛び出したのも、繰り返し出演している千原せいじの極悪非道さ(褒め言葉)が再認識できるのも、この番組。あまりにもボリュームが多いので最初から見るのもつらいし、どれから見るのがいいのかもわからない、という人のために、筆者の個人的おすすめエピソードをいくつか挙げてみようと思う。

1つ目はシーズン1 エピソード12。千鳥・ノブの実家を西川きよし師匠が訪れたこの回は、「ノルディック親父」の出現が一番の見どころ。終盤にはノブの兄も唐突に登場し、そのオモロなさ過ぎ加減が逆にオモロくなっているのが素晴らしい、まさに神回と言うにふさわしいエピソード。

2つ目はシーズン2 エピソード16。高橋ジョージ出演回だが、高橋ジョージは最初の登場シーンがピークなのでこの際どうでもよくて(失礼)、見どころは中盤。ボウリング対決で圧倒的なスコアを叩き出す一般人が現れ、「田村のターキー」として相席食堂において語り継がれることになった、まぎれもない神回だ。その後、シーズン7 エピソード15で伝説の再来となる。

3つ目はシーズン3 エピソード2。2019年のM-1グランプリ決勝進出者が、そのロケの面白さを競う「街ブラ-1 グランプリ」という企画。ここで大トリに登場したニューヨークは、飲み屋街の大阪・新世界で通りすがりの酔っ払いたちに絡み、絡まれながら、最後は海外からの旅行者と思われる相手にニューヨーク・嶋佐が積極的に話しかける。英語が得意と言われるわりにはたどたどしい感じで見ている方を不安にさせつつも、最後にしっかりオチをつけるあたり、持っているなと感じさせる神回である。

「街ブラ-1 グランプリ」つながりでは、シーズン5 エピソード20も見逃せない。なかでも2021年のM-1グランプリで強烈なインパクトを与えたランジャタイのロケは衝撃的な結末を迎える。漫才なのか、漫才じゃないのかという論争を巻き起こした彼ららしいアナーキーさを存分に味わえる、脳が破壊されそうな神回である。

300回近いエピソード数があると書いたけれども、残念ながら一部は何らかの都合で配信が中止になり見られなくなったものもある。ごく最近ではシーズン8 エピソード1がそれ。筆者は運良く配信が中止される前に見ることができたが、内容は大谷翔平扮するガリットチュウ・福島と、水原一平氏扮するレイザーラモン・RGが、大谷翔平の故郷である岩手県を訪れるというものだった。一体なぜ配信されなくなったんだろう(棒)。

時には視聴者を不安にさせるようなロケをする出演者もいるが、それをカバーして番組として成立させている千鳥の手腕も見事というほかない。まだ見たことがない方は、この連休中にぜひ1つでもいいからチェックしてみてほしい。きっとコンプリートまで走りきってしまうはずだ。