新東名は“3年後”に全線開通!? 「あと少し…」でも2度延期なぜ? 反響は? 最後の25km「未完成区間」とは

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新東名の「東京延伸」いつ実現?

 新東名高速道路の未開通区間については、たびたび延長を繰り返しながら建設が進められています。
 
 現在は2027年度の完成を目指していますが、これに対してはどのような反響が寄せられているのでしょうか。

新東名はいつ全線開通? (画像:写真AC)

 現在、神奈川県海老名市から静岡県を経由して愛知県豊田市までを結ぶ「新東名高速道路」の建設が進められています。

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 新東名高速道路は2012年4月以降、静岡県の御殿場JCTから浜松いなさJCTまでの区間をはじめとして順次開通しており、東名高速道路と並行するような形で作られてきました。

 東名高速道路とのダブルネットワークが形成されることで渋滞の大幅な減少や、交通事故・災害などによる通行止めが起きた際には代替経路として利用できるようになるといった効果が期待されています。

 また新東名高速道路は東名高速道路と比べてカーブや坂道がゆるやかな構造をしており、国土交通省が過去に実施した利用者からのヒアリングでは「東名高速道路を走行するよりも疲れにくい」「振動が少なく、安定して製品を配送できる」といった好意的な声が寄せられました。

 2024年4月時点では新東名高速道路の総延長253kmのうち約90%がすでに開通しており、残す未開通区間は神奈川県秦野市にある「新秦野IC」から静岡県御殿場市にある「新御殿場IC」までの25km区間です。

 この区間においては静岡県小山町に小山PAや小山スマートIC、神奈川県山北町に山北スマートICのほか日本最大のバランスドアーチ橋である河内川橋の施工など、大規模な工事がおこなわれています。

 しかし同区間は山の傾斜が急で狭い地形に加え、自然地盤が脆弱であるといった理由から工事が難航し、もともと2020年度だった開通予定が2023年度に、その後2023年度から2027年度へと開通予定が延長されました。

 その中でも神奈川県松田町と山北町を結ぶ約2.9kmの「高松トンネル」は、もろい自然地盤や断層破砕帯、毎分2トンもの湧き水の発生などによって何度も掘削面が崩落しており、工事の最難所とも呼ばれています。

 新東名高速道路の建設を進めるNEXCO中日本は高松トンネルの工事について、およそ半分の距離まで掘削が進んでいると説明した上で、トンネルや地質の専門家の助言を踏まえながら慎重に工事をおこなっていく方針を明らかにしています。

 新東名高速道路の開通予定がたびたび延期され、現段階で2027年度を目標にしていることに関しては、インターネット上でさまざまな反響がありました。

 具体的には「予定より7年遅れているのは、それほど慎重に安全な高速道路を作ってくれているということ。工事関係者には本当に感謝です」「現場の安全第一、焦らず頑張ってほしい」といった応援の声。

 また「土木工事の工期なんて有って無いようなもの。計画通り進めば奇跡だよ」「掘削してみないと地中の状態は分からないから仕方ない」と開通予定の延期に対して一定の理解を示す声などが聞かれました。

 その一方で、開通区間に関しては「東名で1番混むのが海老名から東京方面。新東名は海老名までなので全線開通しても都心方面の渋滞は緩和しない…」「海老名南ジャンクションから東の区間をどうにかして欲しい」など、都心方向の道路改善を求める意見も多くありました。

 仮に新東名高速道路が全線開通した場合でも、東京方面へのアクセスには課題が残るといえそうです。

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 2024年4月現在、新東名高速道路の全線開通は2027年度を予定していますが、地盤の状況などによっては施工計画の見直しを余儀なくされるケースがあります。

 早期完成に越したことはないものの、建設工事関係者の安全を第一に長い目で見守ることも必要といえるでしょう。