「前の車を追ってください」本当に可能? 実際に“年イチ”で現る!? タクシーで「1度は言いたいセリフ…」 タクシー会社の回答は?
目的地を伝えず「前のクルマを追ってください」は通用する?
ドラマや映画などで刑事がクルマに乗って逃走する犯人を捕まえる際、タクシー運転手に警察手帳を見せつつ「前のクルマを追ってください」と声をかけるシーンを見かけることもあります。
現実世界では、「前のクルマを追う」という指示に従ってくれるのでしょうか。
通常、タクシーに乗るときは、目的地や目的地周辺の有名な施設などを伝えたり、住所を教えたりして、目的地を指定してから出発することになります。
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たまに目的地付近に着いた際、「次の交差点を右に曲がってください」といったように道のりを指示することもありますが、その場合も目的地を提示していることには変わりありません。
しかし、ドラマや映画などで見かける「前のクルマを追ってください」というシーンは、明確に目的地を伝えていません。
こういった場合、タクシー運転手は、指示に従ってくれるのでしょうか。このことについて、タクシー会社の担当者は以下のように話します。
「『前のクルマを追ってください』とお客様に言われた場合、追随することは可能です。
交通違反を強制されるような指示に対しては、お断りますが、交通違反しない範囲であれば追随する場合がございます。
『前のクルマを追ってください』というお客様は1年に1回ほどいらっしゃいます。
過去には刑事さんが乗ってきて『前のクルマを追ってください』ということもありました。
その際は交通違反をしないように走行し、前のクルマが停車したところでお客様を降ろしました」
なかには、会社の飲み会に向かう途中に、上司から「いい店があるから後からついてきて」と言われ、2台目のタクシーに乗った際に「前のクルマを追ってください」と冗談半分で言ってみたことがある人もいるようです。
実際に逃走する人を追いかけるシチュエーションはほとんどありませんが、同僚や友人と2台のタクシーに分かれて乗車するときは、「前のクルマを追ってください」と伝えることもあるかもしれません。
目的地を伝えないと迷惑行為!? タクシー運転手に怒られる?
冗談半分で「前のクルマを追ってください」と言ったことがある人もいるかもしれませんが、目的地を明確に伝えない行為は、タクシー運転手にとって迷惑にならないのでしょうか。
前出の担当者は以下のように話します。
「前のクルマがどこに止まるか予測できませんし、タクシー運転手は心穏やかに運転することができないかと思います。
ですので、普通に行き先を指示していただけるほうがこちらとしては助かります」
目的地を伝えないことは迷惑行為とはいえないまでも、タクシー運転手を困惑させてしまうことになりかねません。
たとえば、先ほど挙げたシチュエーションのように、会社の同僚と飲み会場所に行くときに2台に分かれて乗車する場合も目的地はしっかりと伝えたほうがよいとされています。
信号のタイミングではぐれることも考えられるため、目的地を事前に伝えると、無理して追随する必要がなくなり安全運転できるようになります。
また、「前のクルマを追ってください」という話でいうと、過去には、週刊誌の記者がゴシップネタを掴むために「前のクルマを追ってください」と伝えることもあったようです。
対象車は、スピードを上げて逃げている様子はないのですが、真後ろで追随するのではなく数台あいだに挟んで追いかけてほしいと言われて運転手はピンときたようです。
数分後、対象車が停まって降りてきた人を見たら、人気女優だったということも。
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このように、刑事が逃走犯を追いかけるシーン以外にも、「前のクルマを追いかけてください」というシチュエーションはあるようです。
ただし、タクシー運転手にとってみると目的地がわからないまま運転するのは戸惑うこともあるため、可能な限り目的地を明確に伝えるほうがよさそうです。