マツダ「ロータリーエンジン搭載ミニバン」がスゴい! 「RX-8」と“ほぼ一緒”の画期的モデルが存在! 実際に販売した超高性能車とは

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「ロータリーミニバン」はマツダの熱心な探究心の現れだった

 マツダ独自の技術であるロータリーエンジンは、各社が実用化を断念するなか、1967年にスペシャリティカー「コスモスポーツ」に搭載以来、名車として称される「RX-7」シリーズなどにも採用されてきました。
 
 しかし、実はこのロータリーエンジンをミニバンに搭載して販売したことがあったのです。

「RX-8」譲りの「ロータリーエンジン」を搭載!

 ロータリーエンジンは、シンプルな構造によって小型軽量かつ、高い出力が得られ、静粛性にも優れるというメリットがあります。

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 しかし、熟成が進んだ通常のレシプロエンジンとは構造が大きくことなることから、国内外の各社で開発研究が行われたものの実用化は難しく、多くが断念。唯一量産化に成功したのがマツダでした。

 そして、1967年にはスペシャリティカー「コスモスポーツ」に国産車初の2ローターロータリーエンジンを搭載して発売以来、主力モデル「ファミリア」から上級モデル「カペラ」、スペシャリティモデル「サバンナ」など多様な車種にロータリーエンジンを採用。

 3ドアスポーツクーペ「RX-7(当初はサバンナ)」にも採用され、世界三大レースのひとつであるル・マン24時間レース(1991年)では、ロータリーエンジン車として初めて「787B」が総合優勝を飾りました。

 2003年5月には、新世代の「RENESIS」を搭載した4ドアスポーツカー「RX-8」を発売しています。

 ロータリーエンジンはこうしたスポーツカーに採用されていたため、ハイパフォーマンスなエンジンとしてのイメージがありますが、その一方で、環境に優しいエンジンとしての研究も進められていました。

 そのひとつが「水素ロータリーエンジン」です。1991年に開発された「HR-X」が初の搭載車でした。

 その後、RX-8のRENESISをベースに、1ローターにつき2本の電子制御ガスインジェクターによる水素直接噴射機構を採用した「RENESIS水素ロータリーエンジン」を開発。排ガスのクリーン性能と気持ちの良い走りを同時に実現したと言います。

 また、水素だけでなくガソリンにも対応するデュアルフューエルシステムを搭載し、水素燃料がなくなった際はスイッチで通常のガソリンと同様の運用が可能となっていました。

 2003年10月の第37回「東京モーターショー2003」で披露されたのち、2004年10月には公道での走行を開始。2006年2月には「RX-8 ハイドロジェンRE」としてリース販売を開始します。

 そして、2008年にはミディアムサイズミニバン「プレマシー」(2代目モデル)をベースにした「プレマシー ハイドロジェンREハイブリッド」を発表しました。

 従来のハイドロジェンREとは異なり、水素ロータリーエンジンとモーターを組み合わせたシリーズハイブリッド方式を採用。ハイドロジェンREよりも出力を約40%向上した110kWを発揮し、水素での航続距離を倍の200kmに大幅に改善したと言います。

 内外装は基本的にはプレマシーと同一ですが、専用デカールが施されたほか、バイオプラスチックやバイオファブリックの採用など、環境に配慮された素材が用いられました。

 なお、水素タンクを搭載する関係で3列目は撤去され、5人乗りとなっています。

 プレマシー ハイドロジェンREハイブリッドは2009年に水素ハイブリッド自動車として世界で初めてリース販売を開始し、地方自治体やエネルギー関連企業などへの納入を実施しました。

 そんなプレマシー ハイドロジェンREハイブリッドは、極めて画期的なモデルではありましたが、一般向けへの販売はされませんでした。

 その後も水素ロータリーエンジンに関する新情報が更新されていないこと、ベースのRENESISを搭載するRX-8が2012年に生産を終了したことなどから、残念ながら新たな動きはないものと見られます。

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 その一方で、2023年1月にはコンパクトSUV「MX-30」に、発電用エンジンとして新開発のロータリーエンジンを搭載したPHEVモデル「MX-30 e-SKYACTIV R-EV」が設定され、RX-8の生産終了以来、11年ぶりにロータリーエンジンが復活しました。

 さらに、2024年1月にはカスタムカーイベント「東京オートサロン」において、マツダの代表取締役社長兼CEOの毛籠 勝弘氏がロータリーエンジン開発グループを発足されることも明言。

 前年の2023年10月の「ジャパンモビリティショー2023」ではPHEVスポーツコンセプト「MAZDA ICONIC SP(アイコニックSP)」が世界初公開されたこともあり、電動化の時代のなかでも、マツダ独自のロータリーエンジンは進化を続けるとみられます。