YouTubeの動画を見ている時に何度も広告が挟まり、「これだけ広告を出しているのだからYouTubeは相当もうかっているんだろう」と考えたことがある人もいるはず。ところが、アメリカ連邦取引委員会(FTC)との裁判でMetaが提出した書類から、YouTubeよりもInstagramの方が広告収益が多いことが判明しました。

Instagram makes more money from ads than YouTube does, and it has for years - The Verge

https://www.theverge.com/2024/4/5/24122541/instagram-ad-revenue-youtube-meta-ftc-monopoly



FTCは2020年12月、Meta(当時の社名はFacebook)によるInstagramやWhatsAppの買収が反競争的だとして、独占禁止法の疑いでMetaを提訴しました。その後もMetaの独占禁止法違反を巡る裁判は継続しており、2024年4月にはMetaが「InstagramとWhatsAppの買収は消費者に害を及ぼさなかった」と主張し、訴訟を取り下げるよう裁判所に求めています。

海外メディアのThe Vergeは、この裁判でMetaが提出した書類にInstagramの広告収益についての詳細情報が含まれていると指摘。これによると、2021年にInstagramが稼いだ広告収益は324億ドル(約4兆9000億円)で、同年に288億ドル(約4兆3700億円)を稼いだYouTubeを上回っているとのことです。

広告収益でInstagramがYouTubeを上回る傾向は、一時的なものではありません。2020年の広告収益はInstagramが220億ドル(約3兆3400億円)でYouTubeが197億ドル(約2兆9900億円)、2019年はInstagramが179億ドル(約2兆7200億円)でYouTubeが151億ドル(約2兆2900億円)であり、以前からずっとInstagramの方が広告収益が多いとThe Vergeは報じています。



YouTubeよりもInstagramの方が広告収益が多い理由については、YouTubeが動画をアップロードするクリエイターに対して広告費の55%を還元しているのに対し、Instagramのクリエイターに対する還元がはるかに少ないことが挙げられています。

なお、Instagramはクリエイターがコンテンツを収益化するための「サブスクリプション」機能を日本などで展開しているほか、ヨーロッパではFacebookとInstagramの広告を削除できる有料プランが提供されています。

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