「向き合わなくていいことも、全部向き合っちゃうんです」三山凌輝が醸し出す“人間らしい”色気
気鋭の俳優として注目され、BE:FIRSTのRYOKIとしても躍動する、三山凌輝さん。
そんな彼と、六本木に新しく誕生した“鶏焼肉”を味わう一軒へ。
初めての食体験のあとには、知られざる焼き鳥の思い出と、いま見据える未来、そしてグループへの想いを語ってくれた。
明日3/30(土)は、雑誌「東京カレンダー」には載っていないWEBオリジナル記事「俳優・三山凌輝が、深夜営業のイタリアンで驚いたエピソードとは?行きつけの店も語ってくれた!」を掲載予定。
そちらもぜひお楽しみに!
「昔、焼き鳥屋さんの上に住んでいて青春の匂いです(笑)」
「串に刺さっていないから焼き鳥より少し大ぶりになるんですね」と、察しのいい凌輝さん。焼き鳥で好きな部位は皮、もも、ぼんじりだそう。筋トレ視点で胸肉も気にしていた
焼き鳥特集の出演者として、三山凌輝さんは最適だった。焼き鳥の思い出を聞くと、浅からぬ縁があったのだ。
「名古屋から東京に出てきた時、有名な焼き鳥屋さんの上のマンションに住んでいたんです。
店は1階で煙がもくもく外まで出ていて、僕の部屋は一番上で煙はあまりこなかったけど、学校から帰るといい匂いがして、学生時代は焼き鳥の匂いの中、青春を送りました」
完全なる偶然。さらに話は続く。
「そこの職人のお兄さんが、ちょっと運命っぽい人で、家の前だけじゃなくて新宿とか渋谷とかでも、ばったり会うことが多かったんですよ。でも“あ、同じマンションの人だ”みたいな、お互い認識あるけどしゃべるまではしない。
それが、僕がBE:FIRSTになる時のオーディションをずっと観てくれていたみたいで、メンバーが発表された時、家に帰ったらまた会って、“おめでとうございます”と声をかけてくれたんです。3年越しぐらいで初めて話して嬉しかったですね。
持ち帰りはあっても店内で食べたことはなかったから、“お店行きます”と伝えて、友人を連れて初めて焼き鳥をいただきました。本当に美味しかった!お兄さんとも“やっとしゃべりましたね”から始まり、サービスもしてもらいました」
飛躍の年を迎えた三山凌輝が醸し出す“人間らしい”色気
俳優・三山凌輝として今年は飛躍の年となる。
2024年前期のNHK連続テレビ小説『虎に翼』で、日本初の女性弁護士となるヒロイン伊藤沙莉さんの弟役を演じるのだ。
取材時はクランクイン前だったが、「本当に脚本が面白い。台本を読んでいてぼーっとする瞬間がないんです。今日やっと僕が登場するシーンまでたどり着き、感極まりました」と、すでに作品全体に感情移入していた。
本作は昨年出演したNHK特集ドラマ『生理のおじさんとその娘』と一部同じ製作陣。凌輝さんの性格を知るスタッフが、「明るくて素直過ぎるくらいの人柄がぴったり」と配役につながった。
グループの盛り上がりに俳優の好機が重なり、波がどんどん大きくなっているが、「そういう時が一番苦労しますね」と話す。
撮影後に他の仕事があったため、通常は焼酎が入る「ガリサワー」(650円)をお酒抜きで試飲。「く〜っ!」と唸って、染み入る表情を見せていたのはさすが
「仕事は外から見たら“めっちゃいいね!”と言ってもらえるけど、その反面、いろいろと壁にぶつかったりも。それで結果、空回りしてしまったり、人間らしい部分が全部出ちゃうんです」
“凌輝”という名前には「どんなことも凌いで光輝く」という由来があるという。
いろいろ揉まれて膨らんだ感受性も少なくないはず。周りからよく「優しい」と言われるのも、機微に聡く、真っ直ぐだからだろう。
「向き合わなくていいところまで、全部向き合っちゃうんですよね。だから自分が勝手に背負ってしまうものも大きい。
ただ、そのおかげで人の痛みも分かるようになるのかなと思うと、いいことも悪いことも、一つひとつ大事にしていきたいです。
最近は周りから性格を評価していただく機会もあるから、これからも人と向き合って、自分をさらけ出すことは変えず、全部ひっくるめて見てもらえたら。
ファンのみんなもこんな僕を愛してくれて、なんていい人なんだと思いますし、だからこそ僕はもっともっと愛すぞ、と」
そう話す顔は以前よりシャープで、聞けば10kg減り、戦後を描く『虎に翼』の役柄に合うようになったとか。
「食事制限もしたけど、他の作品が忙しかったこともあって、勝手にしぼみました(笑)」と言い、難しい時にBE:FIRSTに和まされた日もあると話す。
「久々に帰ると、みんなアホみたいに楽屋でけん玉してたり、上半身裸でゲームしてたりして、“久しぶり!”“スマブラやろうぜ!”と声をかけてくれる。
すごく心救われます。帰れる場所があって良かった。みんな本当にいいやつなんで、それが大きいですね。辛い時こそメンバーと気を紛らわす。
ケータリングのごはんを食べながら、あ〜だこ〜だ言って、そういう習慣はずっとひとりで活動したままならなかったから、BE:FIRSTでいられてありがたい。特別な絆があります」
「ハリウッドへ遅くとも3年以内に絶対出ると決めて公言しています」
俳優・三山凌輝を諦めないまま得た仲間たち。凌輝とRYOKIが交錯し、同一人物と忘れるほどの異なる表現を見せてくれるから目が離せない。
そんな才能の持ち主が見据える未来とは?
「次の目標は、僕がハリウッド作品に出て、その挿入歌か主題歌でBE:FIRSTが流れることです」
大航海の計画のように人をワクワクさせるプランだ。スケールの大きい目標を公言する人は、そう多くない。
「アバウトな感じとか探り探りの目標ではなく、僕、大胆に出ちゃうんですよ。いまのところは全部叶えてきています。
だからハリウッドへ遅くとも3年以内に絶対出ると決めていて、それは周りにも言っています。
“絶対”と言えば、誰かが焦って出してくれるかもしれない(笑)。あいつ3年以内に出るって言ってたけど、あと1年しかないじゃん、出してやれみたいな。
言葉にすることは大きな意味があります。自分への戒めにもなるし、みんなに認識してもらえばスタッフさん含めて目標に向かって一丸となれるし、サポートをきちんとお願いできます」
英語は堪能。インターナショナルスクールに通い海外経験があるのは知られるが、語学との最初の出合いとは?
「うちの実家が花屋なんですけど、実家の近くにインターナショナルスクールができて、そのオープン記念の花の注文が入って配達することになったそうです。叔父が配達したのかな。
それで、たまたま僕を助手席に乗せて連れて行ってくれた時、スクールの子どもたちが英語のレッスンを受けている最中で、ひょいって中に入れてもらったんです。
それがすごく楽しかったみたいで、通うきっかけになったそうです。2〜3歳の頃のことです」
凌輝さんの話は、一貫して感情がクリアで、感情が伏線を作る。そして、心に残る情景を浮かばせる。
人を想う豊か過ぎるくらいのその感受性こそ、国境を越える最大の武器になるはずだ。
※明日3/30(土)は、雑誌「東京カレンダー」には載っていないWEBオリジナル記事「俳優・三山凌輝が、深夜営業のイタリアンで驚いたエピソードとは?行きつけの店も語ってくれた!」を掲載します。
そちらもぜひお楽しみに!
■プロフィール
三山凌輝 1999年生まれ、愛知県出身。2016年に俳優デビュー。2021年にBE:FIRSTとしてアーティストデビュー。2022年の映画『HIGH & LOW THE WORST X』や2023年のドラマ『往生際の意味を知れ!』などに出演。『虎に翼』は、2024年4月1日(月)より放送開始。
■衣装
ブルゾン 194,700円〈MM6/タトラスコンセプトストア 青山店 TEL:03-3407-2700〉、デニム 22,000円〈デッサンドモード/オールインヒアー TEL:025-227-0502〉、その他スタイリスト私物
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東京カレンダー最新号では、三山凌輝さんのインタビュー全文をお読みいただけます。
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