レースクイーン女王・松田蘭のプレッシャー「情緒が不安定で、突然ぽろぽろ泣き出してしまったり...」
「日本レースクイーン大賞2023」グランプリ受賞
松田蘭インタビュー後編
今年で14回目となる「日本レースクイーン大賞」で2023年度のグランプリを受賞したのは、ZENTsweetiesの松田蘭さん。受賞記念インタビュー後編では、レースクイーンの仕事や考えについて存分に語ってもらった。スタジオで撮り下ろした厳選フォトも、ぜひご覧あれ。
◆松田蘭さん厳選撮り下ろしフォトギャラリー(55枚)>>
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日本RQ大賞2023でグランプリに輝いた松田蘭さん photo by Yazawa Takanori
── レースクイーンとして爪痕を残せるようになったのは2021年(インタビュー前編:参照)ということですが、そのシーズンは現在も所属するスーパーGTのTGR TEAM ZENT CERUMO「ZENTsweeties」での活動がスタートしましたね。
「2021年から、レースクイーンとしての生き方というか姿勢が変わっていきました。今年で所属して4年目になるんですけど、これだけ長く同じチームを応援しているとモータースポーツへの愛というか、チームに対する愛情はすごく深くなりますね。
また、ZENTsweetiesは2005年からスタートしているユニットで、伝統がありますから、それにふさわしい人間にならなきゃいけない、という思いでここまできました」
── ZENTsweetiesが自分を育ててくれた。
「そうですね。ZENTsweetiesのなかでは、リーダーやサブリーダーといった役目があるんです。新人の時は先輩に引っ張っていってもらったんですけど、2年目はサブリーダー、3年目にリーダーを任されて、どうやって円滑に活動していくか、レースクイーンとして学ぶことがすごく多かったんです」
プライベートの松田蘭さん photo by Matsuda Ran
── まるで部活みたいな感じですね。
「本当、そんな感じです。あと、レースクイーン大賞を目指すにあたっては、ZENTsweetiesで一緒に活動してきた藤井マリーちゃんの影響も大きかったんです。
前の年にマリーちゃんがグランプリを目指して、レースクイーン大賞に励んでいる姿を見ていました。近くでリーダーとしてがんばっているマリーちゃんを支えながら、本当にすごいなって。私も見習わなきゃって思いました」
── なるほど。以前、CERMOのファクトリーに行って感銘を受けたと聞きました。
「はい。YouTubeの企画だったんですけど、貴重な経験をさせてもらいました。レースクイーンの私たちがファクトリーに足を踏み入れることはそんなになくて、メカニックさんと話す機会も、レース中だとなかなかありません。ピットに6人で行くのはお仕事の邪魔なんじゃないか、と思っているくらいでした」
── そう思ってしまいますよね。
「けれども、みなさん『君たちもチームの一員だよ』って認めてくれて......。すごく感激したし、より一層、チームに愛情が湧いたんです。あと、ZENT様にも店舗(パチンコ・アミューズメント施設)に呼んでいただいて、社員の方とお話をしたり、写真を一緒に撮ったり、たくさん交流させていただき、とてもよくしてもらいました」
【ファンの方の後押しに救われた】── そういった経験の数々が、レースクイーン大賞グランプリへとつながっていくわけですね。
「そうなんです。昨年はZENTsweetiesのリーダーでしたし、また、レースクイーン大賞中にZENT様が昨年で18年間続いたメインスポンサー契約が終わることを知って(ZENTsweetiesは今年も継続)、この時にグランプリを獲らなきゃいけないって。TGR TEAM ZENT CERUMO(今年からTGR TEAM KeePer CERUMO)というひとつの時代の節目だったので、何が何でもグランプリを獲るという使命感に駆られたんです」
photo by Yazawa Takanori
── インタビュー前編で「自分がグランプリを目指すのはまだ早い」と言っていましたが、そういった事情で頂点を目指す戦いは始まった。
「めちゃくちゃプレッシャーでした。開催期間中は、表面では笑顔を振りまいていましたけど、情緒が不安定で、突然ぽろぽろ泣き出してしまったり、精神的にきつかったです。でも、それぐらいの重圧があり、それを乗り越えたからこそだと思います」
── そんな自分を支えていたのは、チームやモータースポーツへの愛だった。
「それもありますし、あとはファンの存在ですよね。イベントでファンの方々にお会いして『応援しているよ』とか『投票したよ』って言葉をいただいたり、あと直接コミュニケーションの取れない方は毎日配信をして交流を持ったり......ファンの方々の後押しに本当に救われました。
だからグランプリ獲得は、いろんな出来事や多くの人の思いが混ざり合ったことで実現したと思っています。自分ひとりの力じゃ絶対に無理でしたし、多くの人の愛に導かれた結果です」
── なるほど。だから冒頭で「燃え尽き症候群になった」と言っていたんですね。
「はい。本当にうれしかったし、同時に苦しくもありました」
── あらためてレースクイーンという仕事のどこにやりがいを感じていますか?
「チームのPRやサポートも好きなんですけど、やっぱり自分が小学生の時にレースクイーンに憧れたので、キッズウォークとかでグッズを渡すなど、子どもたちと接するのは好きですね。一緒に写真を撮る時は、セナちゃんのことを思い出して泣きそうになる瞬間があるんです」
── セナちゃんとの幼い日の時間が、レースクイーンへと導いてくれたんですものね。
「はい。あとはチームやモータースポーツに興味を持ってもらえた時ですね。たとえば、私という存在を知ってもらって、『こんな人がレースクイーンをやっているんだ』ってきっかけになったり、『蘭ちゃんZENTを応援しているから、僕も応援するよ』と言ってもらえたり、架け橋的な状況を作れた時はすごくやりがいを感じられるんです」
photo by Yazawa Takanori
── モータースポーツファンでないと、サーキットに足を運ぶ機会は多くないと思うのですが、現地でレース観戦する魅力は何でしょうか?
「サーキットって非日常なんですよね。タイヤの焼ける匂いや、想像を絶するエンジン音の大きさやスピード感......これほど五感を刺激してくれるスポーツはないと思います。だから、たくさんの人に足を運んでもらえたらと思っています。きっと忘れられない1日になると思いますよ」
── まずはサーキットへ来てほしい。
「はい。最初は知識がなくてもいいと思います。まずは雰囲気を楽しむ。実は私も、レースクイーンになってからモータースポーツの勉強を始めて、徐々にその魅力に引き込まれていったんです。
モータースポーツの魅力は、ひとりの力では成し遂げることのできないところ。小さなミスひとつでも勝敗が大きく変わる繊細なスポーツです。ドライバーもひとりでは走ることができない。チームに携わるひとりひとりが一番になることをあきらめず、同じ目標に向かって前を見ている──。このチームワークこそが魅力だと思いますね」
── 松田さんは「理想のレースクイーン像は、自分のなかでかなり高い」とおっしゃっていましたが、今後どのような方向性で上を目指していくつもりですか?
「ひと言でいえば、モータースポーツをもっと盛り上げられるような『架け橋となる絶対的な存在』になりたいんです」
── グランプリという頂点を極めたからこそ、モータースポーツ盛隆のために尽力していく。
「そうですね。グランプリを獲ったあと、グラビアタレントや女優を目指してレースクイーンから卒業する方もいます。私はレースクイーンになることが夢だったので、今後もレース業界で活躍したいと思っています。
自分としてはまだまだ未熟だと思っていますので、成長しながらレース業界を盛り上げていきたいです。それもグランプリ受賞者の大切な役割だと思っています。できれば、レースクイーンをとことんまで究めたいと思います」
<了>
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【profile】
松田蘭(まつだ・らん)
1997年9月4日生まれ、愛知県名古屋市出身。身長165cm。スリーサイズ=B82・W58・H84。特技=ギター。趣味=アニメ鑑賞、音楽鑑賞、ネットサーフィン。SNS=X(@ran_mjargtne)、Instagram(@ran_mjargtne)