ウエルスアドバイザー代表取締役社長の朝倉智也(写真:左)が、アバンティスのCIOを務めるエドアルド・レペット氏(写真:右)にアクティブETFの特徴と強みを聞いた。

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 ETFやインデックスファンドなど、コストを抑えた分散投資が日本でも主流となってきている。その中で、日本では徐々に「アクティブETF」という新たなジャンルが認知され始めた。米国では既に人気が高く、その残高も急速に増加しているアクティブETFだが、近年では低コストながらもベンチマークを上回るパフォーマンスが期待できる選択肢として、米国における投資一任サービスのパーツなどにも活用されている。今回、ウエルスアドバイザー代表取締役社長の朝倉智也(写真:左)が、野村證券の投資一任サービス「野村SMA(エグゼクティブ・ラップ)」にも採用され、米国でも残高を急拡大させているアバンティスのアクティブETFについて、同部門のチーフ・インベストメント・オフィサー(CIO)を務めるエドアルド・レペット氏(写真:右)にその特徴と強みを聞いた。

朝倉:アバンティスは、アメリカン・センチュリー・インベストメンツ(ACI)の中の独立したブランドの1つとして、大きな成功を収めているアクティブETFの運用を担っています。アバンティスとはどのような部門なのか、ぜひ教えてください。

エドアルド氏:アバンティス・インベスターズは、2019年に設立され、今年で5周年を迎えます。ACI内の独立したブランドの1つであり、金融サイエンスに基づき、顧客へ投資ソリューションを提供するよう設計された「アクティブETF」を主に運用しています。拠点はカリフォルニア州ロサンゼルスです。

 チーフ・イベストメント・オフィサー(CIO)として私が取り仕切っていますが、2023年12月末時点で約40名程がアバンティスに属しており、内、ポートフォリオ・マネージャーは6名となっています。アバンティスのメンバーは全員ACI籍であるものの、名刺やメールアドレスはアバンティス名義のものを使用するなど独自性を持っているのが特徴です。一方で、人事・法務・ITや、トレーディングといったバックオフィス業務全てはACIの部隊が行っており、効率的な運営を行っています。

朝倉:アバンティスは、先ほどご紹介の通り、アクティブETFの運用を担っていらっしゃいます。ぜひ、アクティブETFについて教えてください。

エドアルド氏:まずETF(上場投資信託)は、1日に1回算出される基準価額で取引が行われる非上場の投資信託とは異なり、取引所の取引時間内で市場の動きを見ながらリアルタイムで取引できる特徴があります。そして、投資信託の種類にはアクティブ運用とインデックス運用がありますが、アクティブETFはその名の通り、特定の指数やベンチマークに連動することを目指していないETFのことを指しています。

 米国では1993年に初めてETFが発足し、2008年に初めてアクティブETFが発足しました。足元で米国のETF全体の残高は8兆ドル超にのぼりますが、そのうちアクティブETFが占める割合は歴史がまだ浅いこともあり、7%程度なのです。しかし、資金流入に関して言えば、2023年通年では純流入額全体の20%超を占めており、今はまさに”アクティブETFの時代”と言えるでしょう。

朝倉:なるほど、アバンティスは”アクティブETFの時代”の潮流に乗った先端を行く企業なのですね。そのアクティブETFの中でも御社は特に成功を収め残高を増やしているように見られますが、その要因とは?

エドアルド氏:アバンティスとして最初のアクティブETFを設定したのが2019年9月ですが、5周年を迎える2024年現在で、アバンティスの運用残高は約400億ドル近くにまで達し、好調な資金流入が続いています。アバンティスが提供する非常に優れた投資戦略と魅力的なコスト水準に加えて、米国の「マネージドアカウント」(日本でいう「投資一任サービス」)におけるトレンドが相まって追い風となり、この急成長を実現してきました。