忙しい毎日の中で、なかなか自分を大切にできていない…という人も多いのではないでしょうか? そんな今、SNSなどを中心に「アイシナモロール」というキャラクターが話題になっています。アイシナモロールとは、サンリオの人気キャラクター・シナモロールの、もう一つの世界で暮らすちょっぴり大人な姿。注目を浴びている理由が、自分で自分を愛して、カラダとココロを大切にしてあげる「ご自愛」マインドを持っているということ。

書籍『アイシナモロールと“一緒にご自愛”』(扶桑社)の監修者で、「ご自愛=自己肯定」の第一人者である心理カウンセラーの中島輝さんが、ご自愛マインドを高めるためにおすすめの習慣を語ります。

価値ある存在として自分を受け入れる「ご自愛」

ご自愛とは、自分が自分であることに満足して、価値ある存在として受け入れられること。人生の軸となるエネルギーです。ご自愛がたりているときは、物事を前向きに解釈できて、気持ちが安定し、積極的に行動ができるようになります。

逆にたりていないと、ちょっとした出来事でも揺れ動き、行動が消極的になります。あらゆることをネガティブに捉えてしまうようになります。こうならないための習慣を4つ紹介していきましょう。

習慣1:カーテンをあけて太陽を浴びてみる

朝起きたら、まずカーテンをあけましょう。真夏でも真冬でも、どんな天気でも、勢いよくバーッと!

その日がどんな日だったとしても、カーテンをあけるというアクションが、「自分の手で1日を始める」「自分が自分の人生の主導権を握っている」という感覚を呼び起こします。もし部屋に太陽の光が差し込むのであれば、より効果的。

人間は、太陽の光を浴びることで体内時計が自然と調節され、幸福ホルモンと呼ばれる脳内物質セロトニンが生成されます。

セロトニンが活性化すると、気分が清々しくなり、意欲もアップ、集中力も高くなります。とくに午前中にセロトニンが生成されると、夜の寝つきがよくなることもわかっています。

気分が落ち込んでいるときほど、バッとカーテンをあけて、太陽の光を浴びてみる。環境と自然の力を借りて、気持ちを前向きに変えましょう。

習慣2:おなか(丹田)に両手を当てて温める

モヤモヤした気持ちが体の中にあふれているとき、とくに理由はないはずなのに元気が出ないとき、もしかしたら体の不調からきているかもしれません。ちょっと試してもらいたいのが、おなか(丹田)を両手で温めること。

丹田は、おヘソに親指を当ててちょうど小指の下あたりにあるツボです。古代中国の医学では、健康と勇気を司るとされています。

その丹田に両手を当てて温めると、内臓の動きが活発になり、エネルギー消費を高めてくれます。寒い季節はもちろん、エアコンで冷える夏にも試してもらいたいです。

ほかにも体の動きによってあなたのモヤモヤをちょっとよくする方法として、「つま先での床トントン」も紹介しておきます。

イスに座りながらつま先で床をトントンすると、ふくらはぎの筋肉が大きく伸び縮みして、全身の血流がよくなります。手足がじんわりと温かくなり、一時的に疲れやストレスが減るリラックス効果があります。

習慣3:ひとりごとを言う

最近、ひとりごとを言っていますか? 「今日はいい天気だなー」「われながらいい仕事できたんじゃない?」「私、天才かも」

ひとりごとは心理学で「セルフトーク(自己会話)」と呼ばれています。日常的にポジティブなひとりごとを自分に向けている人ほど、困難な出来事や大きな悩み事を乗り越えていけることがわかっています。

ポジティブな出来事や感情に出合ったら、あえて口に出してみる。自分で自分にほめ言葉を向けてみる。そうすると、どんどんポジティブになっていきます。

ひとりごとには、不安を取り除き、自分を励まし、モチベーションを高め、行動を導く効果があるのです。悩んでいたことでも、自分が取り組むべき行動が見えてきます。

「私にできるかな?」「こうすればできるんじゃない」「でもそうするとこういう問題が出てくるな」「そのときはこうしてみたら?」…頭の中で考えるだけでなく、ひとりごとを発することで、やるべきことがまとまっていきます。

習慣4:デスクの上に好きな小物を置く

職場にいる自分が好きになれないとき、デスクから変えてみる方法があります。オフィスの自分のデスクに、お気に入りの小物を置いてみてください。家族の写真でも、推しのグッズでも、ぬいぐるみでも、ちょっとした植物でもかまいません。

仕事場だと緊張して普段の自分の力が発揮できない。異動したばかりで緊張してしまう。繁忙期に同僚がピリピリしていてつらい…。そんなふうに暗〜い気持ちが湧いてきたら、ふっと目線を上げて、デスクの小物を目に入れて。

目で見て心が落ち着くもの、クスッと笑えるものが安心感を生み、不安感を遠ざけ、「ありのままの自分を認める」感覚が回復します。

さらに、手触りのいいものや、いい香りのするアイテムをデスクに置き、触覚や嗅覚の力も借りてみましょう。外回りの多い人は、よく持ち歩く仕事道具にキーホルダーやファイルなど気持ちが落ち着く小物をプラスしてみてください。

ご自愛という言葉に対して、なんだかモヤモヤした気持ち、きれいごとを言われている気持ちになる人もいるかもしれません。「自分で自分を愛する」というそんな当たり前のことに眉をひそめる人が多い、そんな社会と時代にわたしたちは生きています。

でも、ご自愛はワガママでも、甘えでもないんです。むしろ、自立している人間だからこそできる、エネルギッシュなパワーを身につけられるものなんです。

『アイシナモロールと“一緒にご自愛”』(扶桑社)では、自分を大切にするための考え方やテクニックをアイシナモロールと一緒にたくさん紹介しています。これらを試しながら、自分を優先できる強い自分への一歩を踏み出してみてはいかがでしょう。