3か月後に結婚する娘と、3か月後にこの世を去る父が、「結婚までにやりたいことリスト」と「死ぬまでにやりたいことリスト」を実現していく様子を描いたドラマ『春になったら』。娘の椎名 瞳を演じる奈緒さんに話をお伺いしました。

3か月後に結婚する娘と3か月後にこの世を去る父の物語

ドラマ『春になったら』は、娘の椎名 瞳を演じる奈緒さんと、父の雅彦を演じる木梨憲武さんがW主演を務めるハートフルストーリー。助産師として働くしっかりものの瞳は、幼い頃に母を亡くし、父親と2人で支え合い、暮らしてきました。

「一見、3か月後に結婚することと、3か月後にこの世を去ることは対照的ですが、じつは1つの線上でつながっているのではないかなと感じています。父が愛する人と出会って結婚し、瞳がこの世に誕生して、父は3か月後に亡くなるかもしれないけれど、瞳はこれからも生きていかないといけなくて…。命のバトンリレーのように、人生は繰り返しだとあらためて感じました。いつかは別れのときが来るからこそ、一緒に過ごせる、かけがえのない時間を大切にしたいと思うし、生きるということについて、考える機会をくれるドラマだと思います」

「瞳は見返りを求めない無償の愛を知っている人」

病によって余命3か月と宣告された雅彦に、瞳は延命治療を受けさせようと説得しますが、雅彦はかたくなに拒否。さらに、瞳の婚約者・川上一馬(濱田 岳)が、10歳年上でバツイチ子もちの売れない芸人だと知り、結婚にも猛反対します。

「人は自分が愛した分だけ相手からも愛されたいと思うので、愛すること自体が怖くなってしまう人もいると思います。でも、瞳は見返りを求めない無償の愛を知っている人。それはきっと、両親からたくさんの愛を受けて育ってきたからだと思うんです。すごくがんこでなにごとにも真正面からぶつかっていく瞳は、失敗することもあるけど、その失敗さえも愛おしいくらい一生懸命に生きています。お父さんや愛する人とぶつかったり、仕事でつまずいたりする姿をとおして、私自身も優しく、まっすぐ生きていくヒントをつかんでいけたらと思います」

「木梨さんはずっと笑わせてくれるので、本当に毎日が楽しい」

お互いの幸せを願うからこそ、衝突や諦めを繰り返しながら、残された時間を悔いなく過ごそうとする瞳と雅彦。奈緒さんと木梨さんは、初共演とは思えないほど、本当の親子のように愛情豊かな空気感をつくり出しています。

「子どもの頃から木梨さんをテレビで拝見していましたが、お笑いだけでなく音楽やアートの分野でも活躍されていて、1つのジャンルに縛られない魅力をもっている方です。自分の心が躍るものをすごく大切にしていらっしゃるので、私も自分の心に耳を傾けられる大人になりたいと思いました。ご一緒していると心強いですし、ずっと笑わせてくれるので、本当に毎日が楽しいです」

春になったら迎える“そのとき”。温かくて幸せで切ない親子の物語が、記憶に刻まれるに違いありません。