Blueskyがユーザー独自のサーバーをホストできるようにするFederation(フェデレーション)機能をセルフホスター向けに公開しました。これまでは基本的にBlueskyのサーバーに保存されていたデータを個別のサーバーに保存することができるようになり、それでいてどのサーバーからアクセスしても全ユーザーに同じものを表示するという「分散型SNS」の新たな一歩が築き上げられました。

Bluesky: An Open Social Web - Bluesky

https://bsky.social/about/blog/02-22-2024-open-social-web

Early Access Federation for Self-Hosters | Bluesky

https://docs.bsky.app/blog/self-host-federation

BlueskyはX(旧Twitter)などの「一社がサーバーを管理するもの」ではなく、誰もが自由にサーバーを管理し、たとえ運営企業がつぶれても投稿内容や人間関係を維持したまま別のSNSへ移行できるエコシステムの構築を目指しているSNSです。この手のSNSを分散型SNSと呼び、代表的なものにはMastodonなどが挙げられます。

2024年2月22日、サーバー分散化の第一歩として、ユーザーが独自のデータをホストできるようにするためのFederation機能をBlueskyが公開しました。これにより、「いいね」やフォロー・フォロワー情報を保存・管理できるBluesky PDS(Personal Data Server)を誰でもセルフホストしてBlueskyの分散型ネットワークに参加できるようになりました。



独自のサーバー、あるいは別の団体が構築したサーバーに情報を保存したとしても、Blueskyで得られる体験は変わりません。他人から見れば、自分の情報がどこに保存されていようと、情報が何度移動されようと、投稿内容やその他の情報は常に同じものが表示されます。

Mastodonは「インスタンス」と呼ばれるサーバー内でコミュニティが構築されるため、参加するインスタンスごとに得られる情報は異なります。一方のBlueskyはどのサーバーでデータを管理してもXのようにグローバルなネットワークに接続することになるため、より幅広い情報を一度に享受することができます。

Bluesky PDSをセルフホストするための手順は以下のリポジトリに記載されています。

GitHub - bluesky-social/pds: Bluesky PDS (Personal Data Server) container image, compose file, and documentation

https://github.com/bluesky-social/pds

Blueskyは「今回はセルフホスターと開発者を対象としたFederation機能の早期アクセスバージョンをリリースします。この初期段階の後、私たちは多くのユーザーを持つ大規模なサーバーを運営したい人々にFederation機能を開放する予定です。今日リリースする内容や参加方法についてのより技術的な概要については、開発者ブログをご覧ください」と述べました。

「表示内容が変わらないのであればこのような機能に意味はないのでは?」という疑問に対し、Blueskyは「SNSが1つの企業に依存している場合、短命に終わるでしょう。私たちは、ソーシャルメディアの未来は、それに参加する人々と企業が相互に所有する公共財である必要があると考えています。ソーシャルメディアはインターネットそのものと同じくらいオープンで信頼できるものであるべきです。自分のウェブサイトを運営するのと同じように、自分のデータをホスティングできるのであれば、ソーシャルメディアが一企業によってのみ管理されることはないのだということを示す根本的な保証となります」と説明。企業に縛られないデータ管理の新たな一歩を踏み出したことを示しました。