カレーうどんにウズラの卵が20個! 下北沢の老舗蕎麦屋『広栄屋』の名物カレーうどんに度肝を抜かれた!
食楽web
●劇場や古着屋が多く、サブカルチャーが根付く東京・下北沢。そのシモキタに、一風変わった「カレーうどん」があるとの噂。一体どんなカレーうどんなのか、実際に食べてみた。
ある日、「下北沢には、ウズラの卵が大量に載っているカレーうどんがある」と知人に教えてもらいました。
そのうどんを出しているのは、『蕎麦処 広栄屋(ひろえや)』さん。ちなみに下北沢はご存知のように、古着屋さんがひしめいていますが、その合間に昔ながらの中華屋さんや洋食屋さん、バーなどが点在。ここ『広栄屋』も1960年に創業(今年で64年)の古株だそうです。
さっそくそのウズラの卵まみれのカレーうどんを目指して『広栄屋』に行ったのですが、冒頭の写真を見ればわかると思いますが、“一風変わった”どころか、もはや奇妙奇天烈。そしてビジュアルが強烈なだけではありません。食べ進めていくと、さらなる驚きが待っているのです。というわけで、いざそのカレーうどんをご紹介していきましょう。
ウズラの卵だけじゃないハイブリッドうどん
下北沢駅から徒歩3分ほどの場所にあります
下北沢駅北口を出て、3分ほどまっすぐ歩くと『広栄屋』さんに到着しました。お店の外観は、どこの街にも一軒はあるような老舗のお蕎麦屋さんという感じ。
扉をガラガラッと開け、空いている席に座ると、壁に貼ってある写真が目に飛び込んできました。それが知人の言っていたメニューだとすぐにわかりました。確かにカレーうどんがウズラの卵で覆われている!
ウズラの卵20個入りの「ギガたまOjiyaカレーうどん」。その他「特製天ぷら入りOjiyaカレーうどん」もある
正式名称は「ギガたまOjiya カレーうどん」(1400円)です。説明文には「ウズラの卵20個入り」と書いています。大量だと聞いていましたが、まさか20個も載っているとは……。
ちなみに、ウズラの卵1個あたりのカロリーは約16kcal。20個なら320kcal(鶏卵4個分に相当)。そして、カレーうどんは一般的に1人前で約500 kcal。つまり、この「ギガたまOjiya カレーうどん」1杯で820kcalほどと思われます。なかなかの高カロリーです。
でも今回はこれを食べに気たわけなので、カロリーは気にしません。その「ギガたまOjiyaカレーうどん」を注文しました。
卓上メニューにはカレーうどんの食べ方の説明書きが……
待っている間、なにげなく卓上のメニューを広げてみると、そこに「Ojiyaカレーうどん」の食べ方が書いてありました。
「カレーうどんを普通に味わう。うどんを食べ進めると、とろろがかかったご飯が出てくる。カレーとからめて二度目の味を楽しむ。※注意:最初に混ぜないように。楽しみが半減しちゃうよ」
………………!?!?
注文前に気づくべきでした。そもそも「Ojiyaカレーうどん」という名前がおかしい。大量のウズラの卵に目を奪われ、「Ojiya」が何を指しているのかよく考えずに注文しましたが、このカレーうどん、丼の下に「おじや」が入っているのです。まさかの二層式。つまり事前予想の遥か上を行く超ハイカロリーなメニューということです。
「ギガたまOjiyaカレーうどん」1400円
しかし、なぜカレーうどんに「おじや」が入っているのか……?
そこで丼が運ばれてきたタイミングでお店の方に聞いてみると、「この二層スタイルは、もともと愛知県豊橋市で出している“豊橋カレーうどん”と同じなんですよ」と教えてくれました。
調べてみると、豊橋市のご当地グルメ「豊橋カレーうどん」は、ここの「Ojiyaカレーうどん」とまったく同じで、とろろごはんの上にカレーうどんを載せ、さらに豊橋産のうずらの卵をのせるスタイル。余りがちなカレールーを最後まで美味しく食べてもらうために、このスタイルが考案されたんだそうです。
もちもちのおうどんとカレールーが絡んで旨し!
確かに、お店でカレーうどんのうどんを食べ終わると、カレールーがかなり残ります。白いごはんを別に頼んでいれば別ですが、注文時にそこまでカレーが残るとは予想していないことが多いので、結局ルーが最後に余ってしまいがち。でも最初からご飯が入っていれば、最後までカレールーを楽しめますよね。
というわけで、さっそくいただきます。
大量のウズラの卵を避けて、うどんを引っ張り出します。アッツアツです。ハフハフしながらすすると、やわらかくもちもちしたうどんにカレールーがしっかりからみ、超絶に美味しい。このカレールーがまた、蕎麦屋のカレー的にしっかりダシが効いたタイプで最高です。具材は、ネギ、油揚げ、そして豚肉もたくさん入っています。
ウズラの卵の火の通し加減が絶妙!
そして大量のウズラの卵。食べてみると、これがまためちゃくちゃ美味しいんです! プリンとした白身、かじって割れると、中からとろ~りクリーミーな黄身がとろけ出すんです。ウズラの卵が半熟って珍しくないですか?
ビジュアルにインパクトを出すためにこのメニューができたのかと思いましたが、実はウズラの卵が美味しすぎて、1つや2つではなく、このように大量に入れたメニューができたのかもしれない、と思ってしまうほど。
「カレーうどん⇒ウズラ⇒カレーうどん⇒ウズラ⇒カレーうどん⇒ウズラ」と食べ進み、うどんを食べ終わってもまだウズラの卵が残る。これが妙に嬉しい。ウズラの卵が入っている中華丼にしても、せいぜい1、2個ですからね。
うどんをほとんど食べ終わってもウズラの卵はたくさん残っています。
そして、うどんがすっかりなくなって、案の定、カレールーが大量に残りました。が、このカレールーの下には、まだとろろご飯が控えています。
レンゲを入れると、とろろご飯&カレールーが登場しました。ここでみなさんもうすうす疑問に感じているのではないでしょうか。「とろろご飯である意味はあるのか?」と。筆者もそう思いました。ただの白いご飯でもカレーライスのように食べられるのに、と。そしてカレーにまみれたとろろの味はわかるのだろうか、と。
丼の底からとろろご飯が登場
しかし、食べてみてわかったのですが、やはりとろろご飯というのは大事なポイントなんです。カレールーのとろみとはちょっと違うとろろの粘り気。これがカレールーと混ざると、舌触りが変わり、さらに味わいも濃厚になる。そう、とろろがカレールーとごはんの間を取り持つ絶妙なつなぎ役になっているから、より食べやすく美味しいのです。
まとめ
最後まで、美味しいウズラの卵も楽しみつつ、おじや(カレーとろろごはん)を楽しめました。下北沢に行ったら、ぜひハイブリッドな「ギガたまOjiya カレーうどん」を体験してみてください。
(撮影・文◎土原亜子)
●SHOP INFO
店名:広栄屋
住:東京都世田谷区北沢3-21-1
TEL: 03-3466-5958
営:11:30~20:00
休:木曜