井上尚弥がまた快挙 リング誌&米ESPNの年間MVPダブル受賞…気は緩めず「より一層強い井上尚弥を」
井上尚弥が日本人初の快挙
ボクシングの世界スーパーバンタム級4団体統一王者・井上尚弥(大橋)が5日(日本時間6日)、世界で最も権威あるボクシングの米専門誌「ザ・リング」の2023年「Fighter of the Year」(年間最優秀選手)に選ばれた。同誌が公式サイトで発表。日本人としては初の快挙で、アジア人選手としても元世界6階級制覇王者マニー・パッキャオ(フィリピン)以来2人目の受賞となる。井上は昨年末には米スポーツ専門局「ESPN」の2023年最優秀ボクサーにも選ばれている。井上は自身のXで「2024年はより一層強い井上尚弥をお見せできる様精進して参ります」とコメントした。
井上が日本人初、アジア人2人目の快挙だ。1922年創刊のリング誌が1928年から創設した年間賞で、2023年の“年間MVP”に当たる「Fighter of the Year」に選出された。「ボクシングの聖書」と呼ばれる同誌の評価はこれ以上ない栄誉。昨年末には米大手放送局のESPNが最優秀ボクサーに選出しており、ダブル受賞となった。
自身のXでリング誌の受賞についてコメントした井上は「権威あるリング誌の2023年最優秀選手賞に選出して頂き、大変光栄に思います。ですがこれも昨年の事として、2024年はより一層強い井上尚弥をお見せできる様精進して参ります」と気を緩めることはなかった。
井上は2022年12月にバンタム級の4団体統一を果たし、昨年からスーパーバンタム級に転向。7月の初戦でいきなりWBC&WBO世界同級2団体統一王者だったスティーブン・フルトン(米国)に8回TKO勝ちを収めると、12月にはもう一人の2団体統一王者マーロン・タパレス(フィリピン)を10回KOで下し、初戦からわずか5か月で4団体統一を果たした。
発表したリング誌の文面では「イノウエは、当時『ザ・リング』のスーパーバンタム級のNo.1と2だったフルトンとタパレスを、同級での最初の2試合で破った」「そして彼はそれ(同級4団体統一)級を(同級への転向表明から)12か月のスパンで成し遂げた」と高評価されていた。なおESPNも発表時に「日本のスターは競争のレベルを大幅に上げ、1階級跳ね上げ、同じように支配した。これは紛れもなく偉大なことである」と称賛している。
2階級での4団体統一は、男子ではテレンス・クロフォード(米国)以来史上2人目の快挙だった。他にも数多くの海外メディアに表彰されているが、リング誌の発表にはX上の日本人ファンも歓喜に沸き「マジでとんでもない事」「これもまた偉業だ!」「ホントにすげぇな……」「リング誌で年間最優秀は凄いわ」などとコメントが相次いでいた。
タパレス戦に勝利してから一夜明けの取材で、井上はパウンド・フォー・パウンド(PFP)や年間最優秀賞について「そこを目指してないけど、順位や賞をいただけるのは嬉しいです」と話していた。次戦は5月が想定され、WBAは4月にタパレスに判定負けしたムロジョン・アフマダリエフ(ウズベキスタン)が、WBCは元世界2階級制覇王者ルイス・ネリ(メキシコ)が指名挑戦権を持つ。IBF、WBOはサム・グッドマン(豪州)が1位につけるが、米メディアなどでは東京Dでネリと対戦することが有力視されている。
(THE ANSWER編集部)