タパレスに10回KO勝ちを収めた井上尚弥【写真:荒川祐史】

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元WBC世界ウェルター級王者ショーン・ポーター氏が絶賛

 昨年12月にマーロン・タパレス(フィリピン)に10回KO勝ちを収め、世界スーパーバンタム級4団体統一王者となった井上尚弥(大橋)。圧倒的な強さで世界に再び衝撃を与えた。試合を見た元世界王者は「年間最高KOだ」と称賛。「オレも同じ立場にいたことがあるから分かるんだ」と、敗れたタパレス目線での解説も展開している。

 堂々と主張した。米専門メディア「プロボックスTV」公式YouTubeチャンネルに出演した元WBC世界ウェルター級王者ショーン・ポーター氏は2023年の年間最高KOの話題を振られると「マーロン・タパレス戦のナオヤ・イノウエのKOだ。これは説明しなきゃいけない」と語気を強め、こう語り出した。

「イノウエはタパレスの片膝をつかせ、もう片膝もそのあとつかせた。その瞬間のボディーランゲージは『もうダメだ』って感じだった。オレも(タパレスと)同じ立場にいたことがあるから分かるんだよ。見た瞬間に分かった。これはスペシャルだってね」

 井上は10回にガードをこじ開けるワンツーで衝撃KO勝ち。タパレス目線で井上のパンチの凄さを解説したポーター氏は「この試合に準備万端だった男を相手に披露したパフォーマンスと、最後には心を折ったのを見て、完全なKOではなかったかもしれないけど、年間最高KOだと思ったね」と見た目以上のKO劇だったことを示した。

「ボクサーとしてはあれ以上のことはない。毎ラウンドでテクニカル面でも相手を圧倒し、最終的に相手がリング上で膝をついて続行不可能になった。『Wow。イノウエはスペシャルだ』って思った。これが年間最高KOだ」とポーター氏は強調。試合直後、自身のポッドキャスト番組の公式YouTubeチャンネルで、初めてじっくり試合を見たことを明かした上で「世代に一人のボクサーというのは分かる」などと絶賛していたが、今回の解説はその発言を裏付ける形となった。

(THE ANSWER編集部)