朝日杯FSに出走予定のダノンマッキンリー(C)netkeiba.com

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 長い歴史を持つレースで、勝ち馬はほぼ最優秀2歳牡馬へという構図だったが、近年ではホープフルSのGI格上げもあって、やや性格が変わりつつある。中山競馬場から阪神競馬場へと移設されて今回で10回目。過去9回の歴史の中で前走で初勝利をあげた馬は【2-0-2-15】。その一方で前走で重賞競走を経験している馬は【4-9-6-57】。やはりある程度のキャリアは欲しいところ。特に顕著な傾向としてはクラスにかかわらず、前走1着馬が【9-5-7-58】なのに対して、前走2着以下は【0-4-2-62】となっている。

 ◎ダノンマッキンリーは秋明菊賞優勝馬で2戦2勝。まだ若さを残す馬で、道中は体を上手に使えていない印象だが、後方でしっかり脚をためることができた前走の、最後の直線で加速がついてからの伸び脚は強烈だった。2戦はいずれも1400mだったことから、今回は200mの距離延長がポイントになりそうだが、モーリス産駒で母は英1000ギニー優勝馬。半姉には愛国2歳G1モイグレアスタッドS優勝馬シェールがいる血統なら、適性がないとは言えない。メンバーの顔触れからある程度は流れてくれそうなのも味方してくれそうだ。

 〇ジャンタルマンタルはデイリー杯2歳S優勝馬で2戦2勝。いずれのレースも内枠を上手に生かし切ったような内容で高いレースセンスと操縦性の高さがうかがえる。ベルモントS優勝馬パレスマリス産駒で、母が米国芝11ハロンの重賞勝ち馬なら本質的にはもっと距離延びて良さそうだが、京都競馬場芝1800mのデビュー戦を勝ったあとマイル路線に転じてきたのは思うところがあるからだろう。

 ▲シュトラウスは東京スポーツ杯2歳S優勝馬。不良馬場で行われた芝1600m新馬戦を9馬身差で逃げ切ったものの、続くサウジアラビアRCは出遅れたうえに終始力みながらの追走で最後は伸びを欠いたが、前走は同じように力みながらの追走ながらもスタートを決めたことで揉まれずに走れたことが大きかったのではないか。モーリス産駒で、母はマイルチャンピオンシップ優勝馬。どんどん体重が増えているように完成するのはまだ先になりそうだが、楽しみな1頭だ。

 △タガノエルピーダは京都競馬場芝1600m新馬戦優勝馬。前週の阪神JFにも登録があったが除外されてここに回ってきた。キャリアは浅いものの、どちらかと言えばまだ粗削りなメンバーが多い中でデビュー戦の内容は大人びていた。半兄にJRA重賞勝ち馬がいる血統も奥深さを感じさせるものだ。

 △セットアップは札幌2歳S優勝馬。逃げて後続を突き放す内容だったが、ワンターンのマイル戦で同じような競馬ができるかどうか。同じく札幌のコスモス賞を好内容で勝ってきたエコロヴァルツも同様だ。最後に嵌れば切れそうな△エンヤラヴフェイスの名前をあげておきたい。