子どもがYouTubeに動画をアップロードするのはもはや珍しいことではありませんが、オーストラリアのニューサウスウェールズ州に住むジェニファー・ワトキンスさんは、子どもがちょっとしたイタズラ心を発揮した動画をアップロードしたことにより、Googleアカウントを凍結される羽目になっています。

How Your Child’s Online Mistake Can Ruin Your Digital Life - The New York Times

https://www.nytimes.com/2023/11/27/technology/google-youtube-abuse-mistake.html



ワトキンスさんは夫のブルースさん、双子のベンさん、フリンさんとの4人家族。ベンさんとフリンさんは、ワトキンスさんのGoogleアカウントにログインした状態のタブレット端末を用いて、子ども向けコンテンツを視聴したり、ふざけたダンスの動画をYouTubeにアップロードしたりしていました。

双子のアップロードした動画の再生回数はほとんど1ケタ台でしたが、2023年9月にアップロードされた「裸のおしりが写った動画」によって、事態は大きく動きます。

YouTubeの動画チェックシステムは、アップロードされた動画を数分以内に「児童虐待の疑いがある」と判定しました。

ワトキンスさんが気づいたときには、YouTubeだけではなくGoogleのすべてのサービスから締め出され、仕事のスケジュールや銀行の明細も確認できない状態になっていたそうです。

ログインページには「アカウントは最終的に削除されるが異議申し立ては可能」というメッセージが表示されていたので、ワトキンスさんは「あれは7歳の息子たちが『おしりは面白い』と考えてアップロードしたものです」と異議申し立てを行いました。

しかしGoogleは、ワトキンスさんによるアカウント復活を求める訴えを1カ月以上にわたり却下し続けました。ワトキンスさんは有料アカウント利用者だったので、サポート担当者と直接連絡することができたのですが、サポート担当者はワトキンスさんに対して「たとえ子どもによる無自覚な行為であったとしても、会社のポリシーに反するものです」と説明しました。この内容は、のちに情報提供を受けたThe New York Timesも確認したとのこと。

1カ月にわたり何の進展もなかったため、ワトキンスさんはこのことをThe New York Timesに連絡。The New York TimesがGoogleに事実確認の連絡を入れると、翌日にはワトキンスさんのアカウントは復活していました。「The New York Timesに対して連絡する以外の、異議申し立て拒否の解決方法はないのですか?」という記者からの質問に、Googleは返答を返さなかったとのことです。

なお、Facebookで「子どもの不適切な画像をシェアしている」としてピックアップされた少数のユーザーを対象に調査を行ったところ、そのうち75%は、恋愛関係にあるティーンエイジャーの事例や、子どもが動物に性器をかまれる動画を面白いと思ってシェアしている事例など、悪意がないものだったとデータサイエンティストが判定したという出来事があったと、The New Yrok Timesは注記しています。