Samsungが2023年9月1日に新発売したAndroid搭載タブレット「Galaxy Tab S9」シリーズの3モデルは、Galaxy Tab S系統として初めてIP68等級の防じん・防水性能を有しているほか、実況配信やゲームプレイ、映像編集など、高いスペックを要求される作業もこなせる「あらゆる面でこれまでにない品質」として発表されました。2023年10月19日に登場した「Galaxy Tab S9 FE」および5G版の「Galaxy Tab S9 FE+ 5G」は、Galaxy Tab S9シリーズの価格を抑えたコスパ機で、同じくIP68等級の防じん・防水性能を有しているほか、「主力モデルの機能と設計の一部を共有しつつ価格を抑えたモデル」となっています。どれくらい品質を維持しているのか、ベンチマークを計測してGalaxy Tab S9 FEシリーズとGalaxy Tab S9シリーズで比較してみました。

Samsung Galaxy Tab S9 FE+ 5G(ギャラクシータブ S9 FE+ 5G)| Samsung Japan 公式

https://www.samsung.com/jp/tablets/galaxy-tab-s/galaxy-tab-s9-fe-plus-5g-gray-128gb-kddi-sm-x616jzaakdi/

「Galaxy Tab S9 FE」シリーズの外観は以下の記事を見るとよく分かります。

日本初登場となるSamsungのコスパ機種「FEシリーズ」で初めて防水・防塵性能を備えた「Galaxy Tab S9 FE」「Galaxy Tab S9 FE+」フォトレビュー - GIGAZINE



今回は、定番ベンチマークアプリ「Geekbench 6」のAndroid版を、Android 13を搭載したGalaxy Tab S9 FEおよびGalaxy Tab S9 FE+それぞれにインストールし、ベンチマークを実行して結果を比較してみます。Google PlayからGeekbench 6を検索して「インストール」をタップ。



インストールが終わったら「開く」をタップ



「Geekbench 6」を起動した画面は以下のような感じ。以下はGalaxy Tab S9 FEの画面で、モデル名の「samsung SM-X510」やOSの「Android 13」のほか、「CPU」はGalaxy Tab S9シリーズと同じ「ARM ARMv8」が搭載されていることがわかります。一方で、コア数とクロック周波数を示す「Cluster1 4Cores@2.00Ghz」「Cluster2 4Cores@2.40GHz」については、Galaxy Tab S9シリーズが3モデルとも「Cluster3」まであり、大きな違いが見られます。



また、以下はGalaxy Tab S9 FE+でGeekbench 6を起動した画面。モデル名が「samsung SCT22」となっている以外は、Galaxy Tab S9の情報と同じです。



「Run CPU Benchmark」をタップすることで、CPUのベンチマークを計測することができます。今回は毎回2度ずつ計測し、スコアが高い方を記録しています。



以下はGalaxy Tab S9 FEのベンチマークスコアで、シングルコアは1020、マルチコアは2714と記録されました。



Galaxy Tab S9 FEのシングルコアパフォーマンスの内訳は以下のような感じ。



マルチコアパフォーマンスの内訳が以下。



また、以下はGalaxy Tab S9 FE+で計測したベンチマークスコアの結果です。シングルコアは1027、マルチコアは2866と、Galaxy Tab S9 FEのものよりわずかに高い数値が見られました。



Galaxy Tab S9 FE+のシングルコアパフォーマンスの内訳は以下。



マルチコアパフォーマンスの内訳は以下のようになっていました。



次に、Geekbench 6の「GPU」タブから、OpenGLのGPUベンチマークスコアを計測します。「Run GPU Benchbark」をタップして計測開始。GPUについても、それぞれ2回ずつ計測して高いスコアのものを記録しています。



OpenGLによるGPUベンチマークスコアの計測結果は、Galaxy Tab S9 FEで3055でした。



Geekbench 6では、GPU計測後に「GPU」タブから他のさまざまなデバイスのベンチマーク参考スコアと比較することができます。グラフによると、Galaxy Tab S9 FEの3055というスコアは、2020年9月に発売したSamsungのスマートフォンであるGalaxy Note20 Ultra 5Gに近くなっています。なお、同じくGeekbench 6で計測したOpenGLのベンチマークスコアは、Galaxy Tab S9が9352、Galaxy Tab S9+が9471、Galaxy Tab S9 Ultraが9538と、かなりの差がありました。



以下はGalaxy Tab S9 FE+のOpenGLベンチマークスコア。ここでは3024と計測されており、Galaxy Tab S9 FEより低いスコアが出ました。



GPUベンチマークはVulkanによるスコアも計測できます。GPU APIを「Vulkan」に変更して「Run GPU Benchbark」をタップ。



Galaxy Tab S9 FEのVulcanによるGPUベンチマークスコアは3088。



こちらも他デバイスと比較すると、Galaxy Note20 Ultra 5Gよりも少し低いスコアになっているのがわかります。



また、Galaxy Tab S9 FE+のVulcanによるGPUベンチマークスコアは3085で、こちらもほとんどGalaxy Tab S9 FEと差がありませんでした。



今回計測したGalaxy Tab S9 FEおよびGalaxy Tab S9 FE+のCPU・GPUスコアと、2023年9月に同様の方法で計測したGalaxy Tab S9シリーズの3モデルにおけるCPU・GPUスコアを表にまとめてみました。これを見ると、Galaxy Tab S9 FEシリーズは低価格な分、バッテリー容量やIP68等級の防じん・防水性能では上位モデルと同等な一方で、CPU・GPUパフォーマンスには優れていないことがわかります。

 Galaxy Tab S9 FEGalaxy Tab S9 FE+Galaxy Tab S9Galaxy Tab S9+Galaxy Tab S9 Ultraコア数・クロック数Cluster1 4Cores@2.00Ghz
Cluster2 4Cores@2.40GHzCluster1 4Cores@2.00Ghz
Cluster2 4Cores@2.40GHzCluster1 3Cores@2.02Ghz
Cluster2 4Cores@2.80GHz
Cluster3 1Core@3.36GHzCluster1 3Cores@2.02Ghz
Cluster2 4Cores@2.80GHz
Cluster3 1Core@3.36GHzCluster1 3Cores@2.02Ghz
Cluster2 4Cores@2.80GHz
Cluster3 1Core@3.36GHzCPUシングルコア10201027202121092126マルチコア27142866537355795735GPU(OpenGL)30553024935294719538GPU( Vulcan)30883085917186599021バッテリー容量8000mAh10090mAh8400mAh10090mAh11200mAh価格6万8799円10万5800円12万4799円16万2599円20万9799円

Samsungストアの価格はGalaxy Tab S9 FEが税込6万8799円。Galaxy Tab S9 FE+はauのストアからのみ購入可能で、価格は税込10万5800円です。

Galaxy Tab S9 FE & S9 FE+|Samsung Japan 公式