ソフトバンクが大金を投じて大コケした「WeWork」が1週間以内の破産申請を計画中との報道
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ソフトバンクの多額の出資により急成長を遂げながらも、その後急落し事業の継続が危ぶまれているアメリカのコワーキングスペース大手・WeWorkが、早ければ2023年11月上旬の破産申請を計画していると日刊経済紙・Wall Street Journalが報じました。
WeWork Plans to File for Bankruptcy as Early as Next Week - WSJ
WeWork Plans to File for Bankruptcy, WSJ Reports - Bloomberg
https://www.bloomberg.com/news/articles/2023-10-31/wework-plans-to-file-for-bankruptcy-wsj-reports
WeWork plans to file for bankruptcy as early as next week, source says | Reuters
https://www.reuters.com/markets/deals/wework-plans-file-bankruptcy-early-next-week-wsj-2023-10-31/
WeWork reportedly on the verge of filing for bankruptcy, stock plummets | TechCrunch
https://techcrunch.com/2023/10/31/wework-reportedly-on-the-verge-of-filing-bankruptcy-stock-plummets/
Wall Street Journalは2023年10月31日に、WeWorkがニュージャージー州で連邦破産法11条の適用申請を検討していると報じました。連邦破産法は日本の民事再生法に相当する法律で、中でも第11条は倒産処理の代表的なものを規定していることから、この条項に基づく申請手続きは「チャプター11」とも呼ばれています。
WeWorkは10月31日に提出した書類の中で、「バランスシートの改善」と「不動産フットプリントの合理化」に向けた措置を実施することについて債権者と協議していると報告しました。また、その前日である10月30日には、1カ月延長していた10月分の利息の支払いをさらに7日間延ばす猶予契約を債権者と締結していたことが報じられています。
WeWorkの広報担当者は、破産申請については「臆測に対するコメントは差し控えます」とした上で、支払いを延期する合意によって同社が「主要な財務関係者との前向きな対話を継続し、資本構造を強化するための継続的な戦略的取り組みを実施するための時間を得ることができます」と述べました。広報担当者はまた、WeWorkが「将来に対する明確な長期的ビジョン」を持っていることも強調しています。
WeWorkの破産申請は、一時は470億ドル(約7兆円)の企業価値を有すると評価された企業にとって驚くべき運命の逆転であり、何十億ドル(数千億円)を投資したソフトバンクにとっては汚点であると、ロイター通信は述べました。
ソフトバンクグループの支援により2019年に株式の上場を目指していたWeWorkですが、ビジネスモデルや巨額の損失に対する懸念が表面化して新規株式公開(IPO)に失敗。WeWorkはその後、当初より大幅に引き下げられた評価額で2021年に株式上場にこぎ着けましたが、それ以降も損失を出し続けました。
この状況は、新型コロナウイルス感染症により企業がリモートワークに移行し、オフィススペースを捨てるようになったことでさらに悪化しました。パンデミックが落ち着いたことで一部の企業はオフィスに戻りましたが、オフィス需要はパンデミック前の水準まで回復せず、2023年8月には事業継続に重大な疑問があることを認めています。
ソフトバンクが多額の投資をしたコワーキングスペースのWeWorkが破産の可能性について警告、「継続能力に重大な疑問」があると認める - GIGAZINE
by Phillip Pessar
WeWorkはまた、私立小学校のWeGrowや住宅ビルのWeLive、フィットネスができるジムのRise By Weなどにも手を出しています。
WeWorkを利用中だというソーシャルニュースサイト・Hacker Newsのユーザーは、「今WeWorkのオフィスに座っていてとても気に入っているんですが、よくフロア全体が貸し切りになります。多くの拠点はゴーストタウンで、フロア全体が閉鎖されているところもあります」と話しました。