日本の攻撃、ピッチ上の選手たちの表情は時間を追うごとに厳しさを増した【写真:イワモトアキト】

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ラグビーW杯フランス大会 カメラマン・イワモトアキト氏のフォトコラム

 連日熱戦が繰り広げられているラグビーワールドカップ(W杯)フランス大会。「THE ANSWER」は開幕戦から決勝戦まで現地取材するカメラマン・イワモトアキト氏のフォトコラムを随時掲載する。今回は8日の1次リーグ最終戦・アルゼンチン戦を戦った日本代表から。

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 力負けだった。ゲーム冒頭から狂った試合の歯車を立て直すことができず、アルゼンチンに敗れた。試合中の選手たちの顔つきは、その心の内を表していた。エベレスト、その高みは想像以上に厳しい世界だった。

 強い日差しが降り注ぐピッチ、ただその熱さが苦しいんじゃない。思うように試合を運べないもどかしさが、選手たちの表情から感じられた。

 開始2分でトライを奪われ、その後は日本が追いついてはアルゼンチンに離され、勢いを封じられた。負けたら終わりの極限の世界。焦り、苛立ち、選手の表情からそれぞれの感情が伝わってきた。

 個々の光るプレーもあった、狙い通りのトライも決まった。ただ、勝てなかった。アルゼンチンは強かった。

 日本のW杯が幕を閉じた。エベレストは高かった。ただ、決してその頂を諦めたわけじゃない。前を向く選手たちの表情から、新たな挑戦への幕開けを感じた。

■イワモト アキト / Akito Iwamoto

 フォトグラファー、ライター。名古屋市生まれ。明治大を経て2008年に中日新聞入社。記者として街ネタや事件事故、行政など幅広く取材。11年から同社写真部へ異動。18年サッカーW杯ロシア大会、19年ラグビーW杯日本大会を撮影。21年にフリーランスとなり、現在はラグビー日本代表の試合撮影のほか、JAPAN RUGBY LEAGUE ONEオフィシャルフォトグラファーを務める。

(イワモト アキト / Akito Iwamoto)