ベランダをつくる費用に加え、そのメンテナンス費用も発生することを考えたら、思いきってなくして家づくりするのもあり。浮いたお金でランドリールームのある間取りにして、乾燥機を導入するのも手です。日刊住まいライターが、あえてベランダをなくした家に1年住んだ感想をレポート。

なぜ、ベランダをつくらないと決めたのか?

家にはベランダがあるのが当たり前。そう思っている人は多いかもしれません。でも最近は、ドラム式洗濯機や乾燥機を導入する家庭が増え、ベランダの使用頻度が低い(むしろない!?)という家庭もチラホラ。

⇒【マンガ】スボラ人間にベランダはNG!

そのため、注文住宅で「ベランダをつくらない」選択をする人も増えているのだとか。じつは筆者も、家づくりでベランダをつくらなかったひとりです。理由を以下に整理してみました。

・ガス衣類乾燥機を当初から導入する予定だった
・これまでの住まいでも、布団干しは、室内で立てかけたり、布団乾燥機を使っていたりして対応。もともと外干しの習慣がない
・新居の立地は住宅地。景観がよいわけではないので、洗濯や布団干しの用途以外に使い道がない
・使い道のないものに10〜15年後の防水工事、修繕、日々の掃除などコストと手間をかけたくない

だれも使わない実家のベランダは、老朽化が問題に

ちなみに、実家にはバルコニーがありました。ガーデンテーブル4セットを余裕で置けるほどの広さ。でも、感動したのは最初だけです。

思春期を迎えていた筆者の妹の部屋を経由しないと、バルコニーに出られなかったのも理由でしょう。引っ越して数年後には、だれも使わなくなりました。ここからの眺め、すごくよかったんですけどね…。

なお、母は1階の庭で洗濯物を干していました(笑)。洗濯機の置き場所を考えると、動線的にも、その方が便利だったのです。

築年数を重ねた今、広いだけに、老朽化による影響も心配。バルコニーの存在は、もはやリスクしかありません。筆者は、実家のそんな状況を見ていたため、ベランダはいらないかな…と思うようになりました。

ベランダのない家に実際住んでみて感じたこと

今の家にベランダがなくても、とくに問題を感じてはいません。やはり、ガス衣類乾燥機の恩恵が大きいです。乾燥機に任せることで、天候、花粉に左右されずストレスフリーで洗濯ができます。

また、筆者のようにランドリールーム内(または、その近く)に、衣類をしまうスペースをつくれば、さらに洗濯家事がラクになります。

 

わが家では、大きなラックの上段にガス衣類乾燥機、下段に収納ケースを設置。ここには、タオルや洗剤をしまっています。

干すのにわざわざベランダまで行かなくてすむし、もちろん取り込む手間もありません。しかもタオルを使う場所は、しまっているすぐ近くの洗面所や浴室。つまり、取り出しやすさも非常によいというわけ。

ガス衣類乾燥機を使うとなると、電気代やガス代、もちろん本体購入のコストがかかります。でも、ベランダをつくるお金に加え、メンテナンス費用と相殺して考えれば、この便利さは相当お得なんじゃないでしょうか。

 

とはいえ、保険として、外干しできる最低限の用意があったほうが安心できます。もし乾燥機が使えないとなると、室内干ししかできなくなるからです。

対策としてわが家では、1階の掃き出し窓のところに物干しフックをつけてあります。また、夏は外干しの方が乾燥が早い場合もあります。筆者は、大きなシーツ類は外干しするなどして、乾燥機と併用することに。

 

ベランダがない唯一の不満は?

よく吟味してなくしたので、ベランダがないことに不満はありません。強いて言うなら、他人の目を気にせず、ふらっと外の空気を吸いたいときに、気軽に使える場所がない、ということくらい。

もし、ベランダがあったら、気軽に気分転換できるのに…。そこで代わりに、ウッドデッキでも設置して、その回りを囲い、ちょっとしたくつろぎの場所でもつくろうかなと現在計画中です。