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中古車販売大手ビッグモーター(東京都港区)の保険金の不正請求問題などをめぐり、兼重宏行社長ら経営陣が7月25日、東京・六本木で記者会見を開いた。会場には、テレビカメラ30台、100人を超える記者が集まった。

同社が7月2日に第三者委員会の調査報告書を受けとったと発表してから約3週間。記者会見の開催まで時間がかかったことについて兼重社長は「認識が甘かった。18日に報告書を開示すれば、それでいいと思っていた」と弁明した。

会見の案内文では、国交省記者クラブなど一部の報道機関に限っていたものの、会場にはクラブ外のメディアも出席した。どこの社の記者かを把握して記録する係員が会場を回っていた。

●息子の宏一副社長は出席せず

2時間を超えた会見の中で、報道陣からは「経営陣の関与」を問う質問が相次いだが、経営陣は6月26日の報告書受領まで知らなかったとの認識を繰り返した。

降格人事をおこなっていたと報じられている息子の兼重宏一副社長は出席せず、「完全に退陣する」(陣内司管理本部部長)という。兼重社長は「息子も含めて経営に深入りすることは一切ありません」と話した。

一方で、兼重社長は「昔から抜擢人事でやってきた」と説明。うまくいかなければ、すぐ降格することもあるが、「そのぶん敗者復活もある。社員教育の一環としてやっていて、悪意をもってやっているわけではない」と擁護した。

ゴルフボールで車を傷つけた社員に対しては刑事告訴も辞さないと強気の姿勢を見せるなど、強権的な横顔も垣間見えた。だが、記者会見の最後に刑事告訴の方針を「そこまでする必要ない」と撤回するなど二転三転した。

●社長「私に罪がないとは思っていない」

会社や社長の思想に従わなければ辞職するよう記された経営計画書については「ちゃんと説明を記載しておけばよかった。深い意味はない」と説明。「遊ぶなら仲のいい友達と遊んだほうがいい。どんなに能力があっても、会社と同じ方向をむいてくれないと」と述べ、持論を展開した。

昨年あったという内部告発に関しても「個人的な確執で、仲良くやってくれればと考えていた。その後解決したと思っていた」とした。辞めた社員に対して「どこの会社も不平不満はある。不正は指示していない」といい「元社員のYouTuberあたりで、逆を言えばそれが問題じゃないか。自分の胸に手を当てて考えてほしい」と話した。

会場からは「不正をした会社の経営トップとして、加害者ではなく被害者のように見える」「自身の罪はどう考えるか」といった厳しい質問も飛んだ。

兼重社長は「けっして私に罪がないとは思っていない。潔くお受けする覚悟はできている」とし、経営について「無理や行き過ぎがあったのかもしれない。普段は理詰めで話すから、プレッシャーになったのかも」とも話した。

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