犬に「アボカド料理」...獣医監修レシピ本に「危険」指摘 主婦の友社が謝罪、出荷停止&回収決定
主婦の友社の書籍「獣医さんが教える愛犬のための手作りごはん」が、SNSでの批判を受けて出荷停止・回収されることが分かった。
同社広報が2023年7月12日、J-CASTニュースの取材に明かした。
「専門家の間でも意見がわかれる状況」
「獣医さんが教える愛犬のための手作りごはん」は20年9月に刊行された。「愛犬家のための必携の一冊」と銘打ち、犬用の手作り料理のレシピを紹介する。グラース動物病院院長の小林豊和氏が監修し、獣医師かつ管理栄養士でもある春木英子氏が栄養指導とレシピ制作を手掛けた。
しかしSNSで愛犬家や獣医らから、レシピに含まれる食材「アボカド」が犬にとって「危険」ではないかと話題になった。問題視されたレシピは「まぐろアボカド丼」で、皮をむいて約1センチ角に切ったアボカドを用いる。「なぜこんなレシピのせるのか?」などの批判が相次いだ。
アボカドをめぐっては、アメリカンケネルクラブ公式サイトで犬には避けるべき食材だと紹介されている。21年8月に公開された記事によれば、「アボカドの種、皮、葉にはペルシンという毒素が含まれており、しばしば犬が嘔吐や下痢を引き起こすことがある」という。果肉についても脂肪が多く含まれており、胃腸障害などを引き起こす可能性があるとしている。22年8月に公開された記事でも「100%安全とは言えない」として、アボカドなど人間の食べ物がペットに与える危険性について家族に周知するよう呼びかける。
J-CASTニュースは主婦の友社に11日、なぜアボカドを用いたレシピを掲載したのか、犬にアボカドを与えることに問題はないのか、今後の対応について取材を申し込んだ。同社からは12日、J-CASTニュースや客から同様の問い合わせを受けたとして、次のように回答した。
「あらためて、アボカドを犬に与える危険性について確認しましたところ、専門家の間でも意見がわかれる状況であることを鑑み、弊社としましては、紙版は出荷停止し、書店様に向けて当該書籍の回収をお願いしてまいります。電子版は閲覧停止の対応をさせていただきます」
公式サイトでも同様の発表をし、「ご心配をおかけしたみなさまには、心よりお詫び申し上げます」と謝罪した。