今のシーズンによく着る服を、全部『つるす』/(C)木村文平

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インスタグラムで2.7万人のフォロワーをもつ「整理収納アドバイザー」兼「ビジュアルコンサルタント」の能登屋英里さん。家事などが原因で感じる、家の中のちょっとしたストレスを解決する方法をお届けします。体感的に家事の手間を2割減らして、ストレスフリーで暮らしませんか?

【画像を見る】服を1枚1枚『たたむ』作業に時間と手間をかけるのはもったいない

■洋服の「つるす」収納で徹底時短!

洋服やお風呂上がりのタオル、シーツ類、週末になれば子どもが学校で使う運動着や保育園から持ち帰るあれこれ……。子どもが運動系の習い事をしていればなおさら、洗濯機は毎日フル稼働ですよね。

洗濯機を回し終えたあとに待っている作業もたくさん。中でも、乾いて取り込んだ後の洗濯物の山を片づけるのは、どうしても家電などに頼ることができない家事。そこで能登屋さんは「少しでも片づけの手間を減らそう!」と考え、服の収納方法を見直すことに。具体的な見直し方法を教えてもらいました。

■「たたむ」手間を減らすために「つるす」収納にチェンジ!

能登屋さん「服を1枚1枚畳んで、仕分けて、引き出しに収めて……。洗濯物の量が多いほど、この『たたむ』作業に時間と手間がかかるのがもったいないと思うようになりました。そこで、今のシーズンによく着る服を、全部『つるす』ことにしたんです」

「クローゼットにはジャケットやコート類だけを収納しがちですが、それはもったいない。わが家は52平米のコンパクトな住まいで、クローゼットも決して大きくありません。そこで、まず手持ちの服の量をかなり減らしました。数年着ていない服は処分をして、本当にお気に入りの服だけを残してラックのスペースを確保。そこにトップスもボトムスもまとめて『つるす』ことにしたんです。こうすることで『たたむ』という家事が大幅に減って、洗濯物の片づけ作業がささっと終わるようになりました!」

タンクトップやTシャツなど、引き出しにしまいがちな薄手のトップスもつるすことをすすめる能登屋さん。

「まず朝の身支度がラクになりました。全体をぱっと見渡せるので、今日はこのトップスにして、これを合わせよう、とコーディネートが決まりやすいんです。洗濯物をしまう時間に加えて、朝の身支度の時間までむだがなくなるとは、うれしいですよね」

能登屋さん「引き出し収納は数を多く収納できるというメリットがありますが、どうしてもたたんで仕舞うという作業の手間がかかります。また、どんな服をどれだけ所有しているかを把握しにくいというデメリットもあり、結局『もう着ない服』をいつまでも保管してしまうことにもつながるのです」

「さらに、引き出しに仕舞い込んだ服は、いざ着ようとなったときにシワがついていて、すぐに着られないことも。「よし、これ着よう!」と引っ張り出してきた服が折りじわだらけだと、気分まで落ち込みますよね。思い立ったときにさっと着ることができるので、薄手の服こそ『つるし収納』がおすすめです」

■ボトムも専用ハンガーにかけることで、コンパクトに収納

パンツ類も、全部ハンガーにつるすことにした能登屋さん。

「パンツを2つに折ってつるすことのできるスラックスハンガーを使うことで、高さの限られたクローゼット内でも効率的にで収納ができて、かさばることもありません。トップスとボトムスを同時に見渡せると、よりその日のコーディネートが決まりやすくなります。次のシーズンに何を買い足すべきか、このパンツはどの服とも合わせにくいから着る頻度が減っているんだ、など、手持ちの服の傾向や対策を常にチェックすることができて便利です」

■パンツをかけるハンガーは、好みのものを見つけて!

能登屋さんが現在愛用しているのは、ニトリで購入した「すべりにくいスラックスハンガー(ラミー3本組)」。ですが、こちらは現在生産終了の商品となり、店舗の在庫限りとのこと。

能登屋さん「いちばん大事だと思うのは、仕舞いやすいことと、着るときに取り出しやすいこと。私はすべりにくいコーティングがされているこの商品がお気に入りですが、すべりやすい方が手に取りやすい、という人もいます。自分が使うときは、どんなタイプがいいかなぁと、お気に入りのスラックスハンガーを探してみるのがよいと思います。

服の量を必要最小限に減らし、つるす収納に変えた能登屋さん。「洗濯物の片づけを減らしたい!」という目的を達成しただけでなく、朝の服選びがしやすくなり、服のいる、いらないがはっきりして管理もラクに。一石三鳥のメリットを感じていると言います。

『これ、面倒だな』と感じる家事や、その習慣を見直して習慣そのものを変えると捉えるとちょっとだけハードルが高い気もします。ですが、いざやってみるともう元の生活には戻れないほどの快適さが待っているのです。

洗濯物をたたんだり、仕舞ったりすることにストレスを感じている方は、収納の仕組み自体を見直してみてはいかがでしょうか。

教えてくれたのは

能登屋英里さん

ビジュアルコンサルタント。整理収納アドバイザー。築50年、52平米のマンションに住み、むだなく心地よい暮らしを提案している。夫、小学生の娘との3人暮らし。

<Instagram>@eiriyyy_interior

撮影=木村文平 / 文=田中理恵