故・ジャニー喜多川氏の性加害問題に揺れるジャニーズ事務所。

 5月24日の「文春オンライン」では、NHK紅白歌合戦にも出場した元「忍者」のメンバーで、現在は一般人として暮らす志賀泰伸氏が、ジャニーズのデビュー組としては初めて性被害を告白した。

 志賀氏は記事のなかで、「ジャニーさんがいつ来るんだろうと怯えていました」と語り、5月14日に、ジャニーズ事務所現社長の藤島ジュリー景子氏が、謝罪動画で発した「知らなかったではけっしてすまされない話だと思っておりますが、知りませんでした」というコメントについて、《ウソつけ!と思ったんです》と発言。さらに、『紅白』にまで出演した人間が語ることで、関心が高まるならと、告白に踏み切ったことを語っている。

 志賀氏によれば、ジャニー氏からの性的虐待は30回から40回、15歳から18歳頃まで続いたという。

 志賀氏の記事が出る5日前の5月19日には、かつて「ジャニーズの長男坊」とまでいわれた近藤真彦が、

「知ってた、知らなかったじゃなくて、もう知ってるでしょと。隠しごとはなしにね、嘘はなしに、しっかりと正面を切ってね、正々堂々と話をしてもらえればなあと。じゃないと、みなさん納得しない人が多いんじゃないかなと思いますけどね」

と、藤島ジュリー景子社長の発言に疑問を呈し、話題となったばかりだ。

 近藤に志賀氏と、ここに来て実績のあるOBの発言が続くなか、今度はメンバー全員がジャニーズ出身のロックバンド「男闘呼組」が、この問題に言及する場面が訪れた。

 1988年に、成田昭次、高橋和也、岡本健一、前田耕陽の4人でデビューした男闘呼組は、デビュー1年後には東京ドームでライブをおこなうほどの人気を誇ったが、1993年6月に突然の活動休止を発表。その後、高橋、成田、前田は事務所を退所し、ジャニーズに残ったのは岡本のみとなっていた。しかし2022年7月16日、音楽特番『音楽の日』(TBS系)で、29年ぶりに電撃復活。2023年3月24日には『中居正広の金スマスペシャル』(同局系)に、4人がそろって出演し、「復活劇の舞台裏」を語り大きな話題となった。

 現在は、2023年8月に、結成35周年を迎える男闘呼組の活動にピリオドを打つべく、全国ツアー「男闘呼組 2023 THE LAST LIVE」の真っ最中だ。5月25日におこなわれた愛知公演では、メンバーが『夜空ノムコウ』をサプライズで披露。以前から男闘呼組を慕っている中居正広が、メンバーに呼び込まれてステージに登場するサプライズもあった。

 そうしたなか、彼らは、寺岡呼人プロデュースによる4人の新バンド『Rockon Social Club』としても楽曲を披露。そして『ヨッテタカッテ』という曲の合間に、メンバーの高橋和也がジャニーズ事務所の問題に突如、口を開いた。

「いま、ジャニーズ事務所がたいへんなことになっているが、俺たちは昔、ジャニーズだったことに誇りを持っている。俺たちの名前『男闘呼組』をくれたのもジャニーズ。いろいろなことを言う人たちがいるけど、それで傷ついている人間もいる。俺たちはこれからもジャニーズを応援するし、みんなにも応援してほしい」

 これを見る限り、高橋の発言は、志賀氏や近藤の発言とは、まったく異なるスタンスの発言だ。ネット上では、

《この時期にあの発言は・・・。残念です》

《ジャニーズから受けた恩やそこにいた誇りと、今のジャニーズが追及され問題を改善していくべきだということは、全く別問題でしょう?》

など、真逆のスタンスを取った高橋の発言に疑問を呈する声も多くあがった。しかし一方では、

《和也くんの言葉がおかしな受けとり方をされないことだけを願ってます。揚げ足取る人もいそうで》

《私も危惧しています 関係ない人達が周りでアレコレ勝手にいう事で今ジャニーズにいる子たちが傷付いてる…と会場のニュアンスで私は受け取りました》

と、高橋のコメントの意図を汲んでほしい、とする声も多く見られた。

 誰かが勇気を持って発言しても、被害者がいる以上、どうしてもプラス、マイナス双方の受けとめられ方をされてしまう今回の問題。所属タレントそれぞれの思いやいかに……。