大人気乳幼児向け番組『シナぷしゅ』が、『シナぷしゅ THE MOVIE ぷしゅほっぺにゅうワールド』として初の映画化。本作に声優として特別出演するのが、ドラマや映画に引っぱりだこの玉木宏さんです。

玉木さんが演じるのは、タオルから生まれた緑の妖精“にゅう”。主人公“ぷしゅぷしゅ”の相棒として、宇宙で大冒険を繰り広げます。

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『シナぷしゅ THE MOVIE ぷしゅほっぺにゅうワールド』玉木宏さんインタビュー

 

もともと『シナぷしゅ』を毎朝見ていたという玉木さんに、作品愛や、ご自身の子育てについてお話を伺いました。

 

●「いいものを手づくりしている感じがいいなあ」

民放初の0〜2歳児向け番組である『シナぷしゅ』。玉木さんとの『シナぷしゅ』との出会い、そして惹きつけられた理由は?

「初めて見たとき、音楽が耳に残ったので『なんだこの番組は?』と思って(笑)。自分の子どもが夢中になったのも大きかったです。調べてみると、初期はスタッフのお子さんが出演されていて、テレビ東京さんがいいものを手づくりしているのが、一味違った幼児向け番組という感じですごくいいなあと思いました」

今回の映画出演のきっかけは、なんとご自身で送った手紙だったそう。

「俳優とは違う形で、子どもが見るものに関わって形に残したいという親心があって。以前プロデューサーの方と手紙でやりとりしたことを覚えていてくださったのか、今回お声がけいただいてすごく嬉しかったです。でもまさか映画になるとは思っていなかったので、びっくりしました。実際に参加してみて、作品に対する愛情や熱量を感じる現場で、とても居心地がよかったです」

 

出演にあたって、子育て世代のご友人達にも思わず自慢してしまったとか。

「同世代の子どもが見ている番組なので、共通の話題なんです。年の近い子どもがいる俳優仲間にも自慢してしまいました」

完成した映画を見たお子さんの反応も嬉しかった、と目を輝かせる玉木さん。

「一足お先に子どもとスマホで観たんですが、スマホが戻って来ないほどかじりついて見ていました(笑)。僕の声だと気づかないくらい、作品に没頭していたのが嬉しかったです。大人も一緒に楽しめて、純粋に『次はどうなっていくんだろう?』と、想像力を伸ばしてあげられる映画だと思います」

玉木さんが演じたタオルの妖精・にゅうは、セリフのほとんどが「にゅう」しかないという特殊な役。演じるうえで意識したことも伺いました。

「テレビ版にはいないキャラクターなので、新しくつくる難しさはありました。セリフも『にゅう』という言葉で表現しなければいけないので、今までの役とは一味違う。監督が丁寧に音を聞いてくださって『寄り添う気持ちで』とか『もうちょっと優しく』とか(笑)、同じ言葉でも細かいニュアンスがあって。シーンに応じて弱々しくしたり、試行錯誤して演じました」

 

●絶対に子どもと一緒に劇場に行こうと思います

本作は、最後に子どもたちのための撮影タイムがあるなど、0歳児から楽しめる工夫が盛りだくさん。「初めての映画館デビュー」にぴったりな作品です。

「映画館デビューは一回きりになるので、記念になります。僕も絶対に子どもと一緒に劇場に行こうと思います! 映画館はやっぱり特別な空間。音や画面の大きさが集中しやすいし、同年齢の子たちと同じ空間で、一緒のものを観るのはいいですよね。僕自身の映画デビューは、祖父と観た『ゴジラ』でした。ただ、席が一番前の真ん中で、首がしんどい思い出しかないです(笑)」

保湿クリームを塗ってあげるのにも追いかけっこ

 

映画ではタオルの妖精として、包み込むような優しさと父性がにじみ出ていた玉木さんですが、私生活でも「父」として、日々忙しくされているそう。「時間の感覚が子ども中心に変わった」と、笑いを交えながら語ります。

「昨晩も今朝も、保湿クリームを塗ってあげるのにも30分くらい追いかけっこして…クリームが冷たいから嫌みたいです。こっちは本気なのに、子どもは鬼ごっこが好きなので、『ダメだよ〜』と追いかけると逃げちゃって(笑)。全部終わった後にようやく自分のことができる感じです。子どもを見守るために余裕をもたないと…」

●子育てで大事にしていること

余裕をもとうと思っても、忙しいときはついつい怒ってしまいそうなものですが、玉木さんはどんなふうにお子さんと向き合っているのでしょう。

「最近は着替えも全部やりたがるので、途中で手伝っても、『自分がやる!』と結局最初からやり直したり…。歯みがきの歯間ブラシも自分でやりたがるんです。加減を間違えると痛がるだろうなと心配しつつ、痛いことも覚えさせないとダメかなとも思うので、ちょうどいいタイミングで交代できるように見守って。
子どもが年を重ねていろんなことに触れても、『できないのが当然』と思うんです。なので、同じ目線に立って次にどうしたらいいか、と意識しています。自分でやれることを増やしてあげたいので、見守りながら、必要なときは手を差し伸べるというスタンスですね」

 

●『残念な夫』がいい教訓に

仕事に育児に大忙しの玉木さん。どうやってバランスをとっているのでしょうか?

「子どもと一緒にいたい気持ちもあるけれど、仕事で離れることがリセットになって、いいバランスのような気がします。うちは共働きなので、周りに助けてもらいつつ、できることは自分がやるようにしています。でも、専業主婦(夫)の方は、気晴らしの時間をとるのも一人じゃ難しいと思います。子育てはパートナー同士の協力が必要だなと実感します。家事や育児を相手にうながすのは、一般的に難しいですが、やっぱり『言い方』が大事なのかも…と思います」

 

こうした生活スタイルは、過去の役柄が反面教師になっているのだそう。

「昔、『残念な夫。』というドラマで、全然家事をしない“残念な夫”役だったのがいい教訓になっているのかも(笑)。妻役の倉科カナさんの、『家事も仕事みたいなもので、別に暇しているわけじゃないんだから』というセリフがあって。実際子守りをしながら料理や家事をするのはすごく大変で、なにも手につかない(笑)。皆さんよくやっていらっしゃるなと痛感しています」

さらに子育ての当事者として日頃感じている、社会の難しさも語ってくれました。

「子どもが生まれてから、バリアフリーを意識することが増えました。ベビーカーに乗せていて、『ここは階段しかないのか!?』というときに、寝ている子どもをわざわざ起こして降ろせないので、乗せたままベビーカーを抱えて移動したり…。エレベーターを待っているときに、人がいっぱいで乗れなくて、見送って次を待っても、また乗れない…なんてことも経験して大変さを感じました」

 

●「静かに見る」という概念は捨てて、楽しんでほしい

最後に、映画を観る読者へメッセージをいただきました。

「小さなお子さんがいる方は、まだお子さんと一緒に映画館に足を運んだことがない方がほとんどだと思います。本作は0歳児からOKなので、ぜひ『静かに見る』という概念は捨てて、お子さんと一緒に楽しんで観てもらえたら幸いです。そして、キャラクターがかわいらしくて、テレビシリーズを知らなくても楽しく見ていただける作品なので、お子さんがいない方にもぜひ見てほしいです」

一人の父親として等身大の悩みも共有してくれた玉木さん。子育て世代を優しく応援してくれる『シナぷしゅ THE MOVIE ぷしゅほっぺにゅうワールド』に、元気と癒しをもらえそうです。

『シナぷしゅ THE MOVIE ぷしゅほっぺにゅうワールド』
5月19日(金)より全国ロードショー
配給:ローソンエンタテインメント
チケットは大人も子どもも0歳から一律1000円(税込)
公式サイト