有村架純、役や作品は“挑戦したい理由”を大切に「思いが伝わることで心を動かせる」
●新卒でスナックのママの道選ぶ姿に「かっこいい」
女優の有村架純が、フジテレビのドキュメンタリー番組『ザ・ノンフィクション』(毎週日曜14:00〜 ※関東ローカル)のナレーション収録に臨んだ。担当したのは、30日放送の『わたし、スナック継ぎます 〜ママは新卒Z世代〜』。名門大学を卒業後、スナックのママとして働き始めた女性を追った作品だ。
店のコンセプトをまとめた資料で客にプレゼンし、ウィークポイントについて整理しながら経営状況を振り返る、そんな若きママの営業スタイルを見た有村は、自身が新たな作品や役に挑戦するときにも「どうしてやりたいのか」という理由を周囲に説明できるようにしていること、周囲に思いを伝えることの大切さを語った――。
『ザ・ノンフィクション』のナレーションを担当した有村架純
○■新卒でスナックのママの道選ぶ姿に「かっこいい」
番組が追うのは、2022年3月に一橋大学を卒業後、周囲を驚かせる選択をした千里さん。友人たちが有名企業への就職をそれぞれに決めている中、千里さんは東京・国立の住宅街で23年の歴史を閉じたスナックの権利を譲り受け、ママとして働くことを決めた。スナックとの出会いは二十歳の頃。初めて入った店の不思議な居心地の良さに魅了され、アルバイトを始めたことがきっかけだった。「スナック・セツコ」のママ、セツコさんは千里さんの営業センスに感心し「この子なら」と大切な店を譲ることに。
「自分の信じた道を進む姿は、同性としてもやはりかっこいいなと思いました」と感銘を受けた様子の有村。コロナ前の地方撮影の際に一度だけ、共演者と一緒に地元のスナックに足を運んだ経験があるといい「常連さんもいらっしゃって、居心地が良くアットホームな空間でした。せっかく来たからと、珍しくカラオケを歌った思い出があります」とはにかみながら教えてくれた。
○■親しい友達より第三者のほうが話しやすいこともある
譲り受けたスナックは、千里さんの「日常を忘れて水中のような半地下の店内に漂い、明日に向かって浮かび上がってほしい」という思いが込められた「スナック・水中(すいちゅう)」に名前を改め、SNSで呼びかけたクラウドファンディングと銀行の融資、地元商工会からの助成金で集めた1千万円あまりをかけリニューアル。千里さんはこれまでの常連客を大事にしつつも、若い層や女性客が入りやすいスナックを作っていきたいという確固たる目標を持っていた。
有村も「オシャレなカフェバーのような雰囲気があるので、女性も入りやすいのではないでしょうか。ふらっと立ち寄れたり、疲れたときに『今日こんなことがあって』と雑談ができたりする場所があるだけで救われる方がたくさんいると思います」と太鼓判。「親しい友達よりも、第三者の方のほうが話しやすいことってありますよね。そんなとき、拠り所になってくれる場所だと感じました」と千里さんの思い描いたスナックが完成していることを客観的に語った。
●SNSの発信は苦手 それでも応援してくれるファンに感謝
○■熱量や思いが伝わることで人の心を動かせる
オープン日には店のコンセプトをまとめた資料をカラオケ用のモニターに映しながら客にプレゼンし、経営コンサルタントと売上をチェックする際には、現在抱えるウィークポイントを整理しながら経営状況を振り返る。有村はそんな千里さんの営業スタイルを「私もお仕事をしていて感じることですが、いくらやりたいと思ったことでも、ちゃんとした動機がないと、なかなか人を説得できませんよね。熱量や思いが伝わることでやっと人の心を動かせる」と読み解き、「千里さんは、本当に筋の通った方」と評価した。自身も作品や役に挑戦したいとき、その思いを周囲に伝える機会があるという。「まずは、この作品に出演して誰に何を届けたいか、この役を任せてもらえたら自分には何ができるか、としっかり考えます。その道筋がないと私も気持ちが乗らないので、『どうしてやりたいか』という理由を、周囲に説明できるようにしています」と明かした。
スナックのママとして働く千里さん
○■SNSの発信は苦手 それでも応援してくれるファンに感謝
ママを始めてから知った苦労や、好調な売上とうらはらに広がらない客層など、悩みが尽きない千里さんだが、大好きなセツコさんに会うたびに元気をもらい、気合いを入れ直す。最初は反対していた父親も、信念を貫いて資金の調達までやってのけた千里さんの熱量に胸打たれ、今では心強い味方だ。“力をくれる存在”について有村に尋ねると、SNSでコメントをくれるファンが挙がった。「YouTubeやインスタライブで素顔を見せる方法がたくさんある時代ですが、私は自分自身のことを発信していくのが苦手なタイプなんです。イベント事もあまりない中で、作品を見て応援し続けてくれる方の存在は本当にありがたいですし、舞台挨拶に来てくれる姿をうれしく思っています」と目を細めて感謝する。
最後に、今作を通して改めて感じたことを有村が語った。「どんな道であろうが、一人の人間が懸命に頑張っている姿には心を動かされますし、それを邪魔する権利は誰にもありません。一人ひとりの尊厳が守られ、認め合える人たちがたくさんいる世界であってほしいと思いました」。
自宅で開店の準備をする千里さん
■有村架純
1993年2月13日生まれ、兵庫県出身。2010年にドラマ『ハガネの女』(テレビ朝日)で女優デビュー。2013年、NHK連続テレビ小説『あまちゃん』で一躍注目を集め、『いつかこの恋を思い出してきっと泣いてしまう』(フジテレビ/2016)で民放連続ドラマ初主演。NHK連続テレビ小説『ひよっこ』(2017)でヒロインを務めた。映画『花束みたいな恋をした』(2021)で日本アカデミー賞最優秀主演女優賞を受賞。そのほか近年は、映画『るろうに剣心最終章 The Final/TheBeginning』(2021)、『月の満ち欠け』(2022)、『ちひろさん』(2023/Netflix)ドラマ『石子と羽男-そんなコトで訴えます?』(2022/TBS)などに出演。現在、NHK大河ドラマ『どうする家康』に出演している。
女優の有村架純が、フジテレビのドキュメンタリー番組『ザ・ノンフィクション』(毎週日曜14:00〜 ※関東ローカル)のナレーション収録に臨んだ。担当したのは、30日放送の『わたし、スナック継ぎます 〜ママは新卒Z世代〜』。名門大学を卒業後、スナックのママとして働き始めた女性を追った作品だ。
店のコンセプトをまとめた資料で客にプレゼンし、ウィークポイントについて整理しながら経営状況を振り返る、そんな若きママの営業スタイルを見た有村は、自身が新たな作品や役に挑戦するときにも「どうしてやりたいのか」という理由を周囲に説明できるようにしていること、周囲に思いを伝えることの大切さを語った――。
○■新卒でスナックのママの道選ぶ姿に「かっこいい」
番組が追うのは、2022年3月に一橋大学を卒業後、周囲を驚かせる選択をした千里さん。友人たちが有名企業への就職をそれぞれに決めている中、千里さんは東京・国立の住宅街で23年の歴史を閉じたスナックの権利を譲り受け、ママとして働くことを決めた。スナックとの出会いは二十歳の頃。初めて入った店の不思議な居心地の良さに魅了され、アルバイトを始めたことがきっかけだった。「スナック・セツコ」のママ、セツコさんは千里さんの営業センスに感心し「この子なら」と大切な店を譲ることに。
「自分の信じた道を進む姿は、同性としてもやはりかっこいいなと思いました」と感銘を受けた様子の有村。コロナ前の地方撮影の際に一度だけ、共演者と一緒に地元のスナックに足を運んだ経験があるといい「常連さんもいらっしゃって、居心地が良くアットホームな空間でした。せっかく来たからと、珍しくカラオケを歌った思い出があります」とはにかみながら教えてくれた。
○■親しい友達より第三者のほうが話しやすいこともある
譲り受けたスナックは、千里さんの「日常を忘れて水中のような半地下の店内に漂い、明日に向かって浮かび上がってほしい」という思いが込められた「スナック・水中(すいちゅう)」に名前を改め、SNSで呼びかけたクラウドファンディングと銀行の融資、地元商工会からの助成金で集めた1千万円あまりをかけリニューアル。千里さんはこれまでの常連客を大事にしつつも、若い層や女性客が入りやすいスナックを作っていきたいという確固たる目標を持っていた。
有村も「オシャレなカフェバーのような雰囲気があるので、女性も入りやすいのではないでしょうか。ふらっと立ち寄れたり、疲れたときに『今日こんなことがあって』と雑談ができたりする場所があるだけで救われる方がたくさんいると思います」と太鼓判。「親しい友達よりも、第三者の方のほうが話しやすいことってありますよね。そんなとき、拠り所になってくれる場所だと感じました」と千里さんの思い描いたスナックが完成していることを客観的に語った。
●SNSの発信は苦手 それでも応援してくれるファンに感謝
○■熱量や思いが伝わることで人の心を動かせる
オープン日には店のコンセプトをまとめた資料をカラオケ用のモニターに映しながら客にプレゼンし、経営コンサルタントと売上をチェックする際には、現在抱えるウィークポイントを整理しながら経営状況を振り返る。有村はそんな千里さんの営業スタイルを「私もお仕事をしていて感じることですが、いくらやりたいと思ったことでも、ちゃんとした動機がないと、なかなか人を説得できませんよね。熱量や思いが伝わることでやっと人の心を動かせる」と読み解き、「千里さんは、本当に筋の通った方」と評価した。自身も作品や役に挑戦したいとき、その思いを周囲に伝える機会があるという。「まずは、この作品に出演して誰に何を届けたいか、この役を任せてもらえたら自分には何ができるか、としっかり考えます。その道筋がないと私も気持ちが乗らないので、『どうしてやりたいか』という理由を、周囲に説明できるようにしています」と明かした。
スナックのママとして働く千里さん
○■SNSの発信は苦手 それでも応援してくれるファンに感謝
ママを始めてから知った苦労や、好調な売上とうらはらに広がらない客層など、悩みが尽きない千里さんだが、大好きなセツコさんに会うたびに元気をもらい、気合いを入れ直す。最初は反対していた父親も、信念を貫いて資金の調達までやってのけた千里さんの熱量に胸打たれ、今では心強い味方だ。“力をくれる存在”について有村に尋ねると、SNSでコメントをくれるファンが挙がった。「YouTubeやインスタライブで素顔を見せる方法がたくさんある時代ですが、私は自分自身のことを発信していくのが苦手なタイプなんです。イベント事もあまりない中で、作品を見て応援し続けてくれる方の存在は本当にありがたいですし、舞台挨拶に来てくれる姿をうれしく思っています」と目を細めて感謝する。
最後に、今作を通して改めて感じたことを有村が語った。「どんな道であろうが、一人の人間が懸命に頑張っている姿には心を動かされますし、それを邪魔する権利は誰にもありません。一人ひとりの尊厳が守られ、認め合える人たちがたくさんいる世界であってほしいと思いました」。
自宅で開店の準備をする千里さん
■有村架純
1993年2月13日生まれ、兵庫県出身。2010年にドラマ『ハガネの女』(テレビ朝日)で女優デビュー。2013年、NHK連続テレビ小説『あまちゃん』で一躍注目を集め、『いつかこの恋を思い出してきっと泣いてしまう』(フジテレビ/2016)で民放連続ドラマ初主演。NHK連続テレビ小説『ひよっこ』(2017)でヒロインを務めた。映画『花束みたいな恋をした』(2021)で日本アカデミー賞最優秀主演女優賞を受賞。そのほか近年は、映画『るろうに剣心最終章 The Final/TheBeginning』(2021)、『月の満ち欠け』(2022)、『ちひろさん』(2023/Netflix)ドラマ『石子と羽男-そんなコトで訴えます?』(2022/TBS)などに出演。現在、NHK大河ドラマ『どうする家康』に出演している。