最近の筆者はアプリの管理方法を改めている。以前はOneDriveフォルダーにbinフォルダーを作成し、各デバイスで同一のアプリが使用できることを由(よし)としていた。だが、コロナ禍で外出習慣もなくなり、作業の9割は古いデスクトップPCで事足りる。

すると面倒になるのがバージョン管理。たとえば動画再生アプリとして長年愛用してきたMPC-BEは、数カ月に一回はマイナーバージョンアップしているため、以前はファイルをダウンロードして特定フォルダーに展開していた。改めて文字に起こすと「億劫」以外の表現が見当たらない。

そこで自身に習慣付けているのが、wingetの検索だ。

wingetの検索結果とインストール方法

上図は「MPC-BE」を検索したものだが、Microsoft Store経由やコーデック単体、別系統のMPC-HCと並んでMPC-BE本体が見つかった。

この場合は「winget install "MPC.BE-MPC.BE"」とIDで指定すれば、正しく最新版をインストールできる。また、設定情報の保存先をMPC-BEフォルダーに変更し、INIファイルをコピーしてから保存先をレジストリに戻せば、OSの再セットアップ時も操作は最小限で済む。

もちろんすべてのOSS(オープンソースソフトウェア)がwingetのリポジトリーに登録しているわけではないが、わずかでもバージョンアップ作業を軽減できるのは大きい。

さて、winget周りのTipsを取り上げるつもりだったが、もう少し検証が必要だったので、今回は「別のユーザーとして実行」を復元する。複数のアカウントを作成(および有効化)していると、ユーザーメニューに別アカウントが加わり、ワンステップで切り替え可能だ。

ローカルユーザーアカウントの「Akutsu」がメニューに並ぶ

こちらはMicrosoft Excelのコンテキストメニュー。インストール済みアプリを起動できるのは自分のアカウントのみだ

以前のWindowsと同じく「別のユーザーとして実行」を有効にするには、以下の手順を踏まなければならない。

「設定」の「プライバシーとセキュリティ/開発者向け」を開き、エクスプローラーセクションの「スタートメニューに[別のユーザーとして実行]を表示するようにポリシーを変更します」にチェックを入れてから、「適用」をクリック/タップする

コンテキストメニューに「別のユーザーとして実行」が現れる

そのまま使用する場合は問題ないが、何らかの理由で「別のユーザーとして実行」を無効にするにはGUI操作ではなく、レジストリ操作が必要となる。下図で示したように難しい操作は必要ないものの、Tipsを試す場合は合わせて覚えておいていただきたい。

「スタートメニューに〜」の項目がグレーアウトし、設定を変更できなくなっている

Windows PowerShellを起動し、以下の内容をコピー&ペーストしたら「Enter」キーを押す

reg delete "HKCU\Software\Policies\Microsoft\Windows\Explorer" /v ShowRunAsDifferentUserInStart /f

著者 : 阿久津良和 あくつよしかず 1972年生まれのITライター。PC総合誌やDOS/V専門誌、Windows専門誌など、各PC雑誌の編集部員を経たのちに独立。WindowsとLinuxをこよなく愛しつつ、PC関連の著書を多数手がける。近年はBtoCにとどまらず、BtoBソリューションの取材やインタビューが主戦場。休肝日を設けず日々飲み続けてきたが、γ-GTP値が急激に増加し、早急な対応を求められている。 この著者の記事一覧はこちら