Microsoftは現地時間2023年4月12日にイベント「Build 2023」のセッションリストを公開した。開催まで1カ月以上あるものの、さっそく確認しようとMicrosoft Edge(以下、Edge)でアクセスしたところエラーが発生。Canary版だからかと安定版Edgeでも試してみたが結果は同じだった。

Microsoft Edgeによるセッションリストページ

10年ほど前に、米Microsoft本社のエンジニアが公開したデモンストレーションコードが当時の旧Edge(EdgeHTMLベース)で動かず、Google Chromeは問題なく動作したことを思い出した。試してみると案の定。筆者の環境固有の問題かもしれないが、自社イベントなのに自社のWebブラウザーで動作しないのはいかがなものだろうか。

Google Chromeはひとまず表示された

それはさておき、今回のBuildはWindowsに関するセッションが思いのほか多い。デジタル(オンライン)セッションに限定しても、開発者なら視聴しておきたいセッションは盛りだくさんだ。

An Overview of New Experiences in Windows just for you, the developer!(Windows開発者向け新エクスペリエンスの概要)

Modernize your Win32 application for security and privacy(Win32アプリのセキュリティとプライバシー、モダナイズ化)

The Old New Thing with Raymond Chen(レイモンド・チャンのOld New Thing)

現地に出向かなければ視聴できないものの、「Learn in depth: the new exciting feature for developers on Windows(Windows開発者向けの魅力的な新機能)」や、「How we integrated WinUI 3 into File Explorer(どのようにWinUI 3をエクスプローラーに統合したのか)」も面白そうだ。

当然ながら欠かせないのがキーノート。イベント初日の月23日にMicrosoft, Chairman and CEOのSatya Nadella氏が登壇し、各セッションのイベント全体概要を語るはずだが、注目はBuild 2013の隠し球、新たな発表だ。Microsoftは大型イベントごとに新発表を行い、開発者や消費者を驚かせてきた。筆者は情報を持ち合わせていないが、過去のBuildを踏まえれば、何らかの新発表を期待してもいいだろう。

近年のMicrosoftはMicrosoft Cloudに注力し、Windowsに対する変化はさほど多くなかった。ただ現行のWindows 11はWinUI 3の取り込みや仕様変更など、過去との互換性を犠牲にしながらも新たなWindowsを目指している。AIに寄り添った新機能を備え、2023年秋の更新プログラムで姿を見せるのか分からないが、Windowsの進化に関心を持っているユーザーは5月23日から25日まで開催のBuild 2023に注目してほしい。

著者 : 阿久津良和 あくつよしかず 1972年生まれのITライター。PC総合誌やDOS/V専門誌、Windows専門誌など、各PC雑誌の編集部員を経たのちに独立。WindowsとLinuxをこよなく愛しつつ、PC関連の著書を多数手がける。近年はBtoCにとどまらず、BtoBソリューションの取材やインタビューが主戦場。休肝日を設けず日々飲み続けてきたが、γ-GTP値が急激に増加し、早急な対応を求められている。 この著者の記事一覧はこちら